納豆は老化防止・血栓予防効果あり でも注意が必要な5タイプの人

BMJ(イギリス医師会雑誌)が2020年に発表した9万人超える日本人を対象とした研究では、納豆を積極的に食べる人のほうが長生きできる、特に心血管疾患による死亡リスクが低いことがわかりました、積極的に納豆を摂取する人は、納豆を食べない人と比べ、心血管疾患で死亡するリスクが24%減少しました。

納豆には健康促進の効果として、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞の予防、老化防止、記憶力向上、骨粗鬆症予防、がん予防、美肌、風邪予防、食中毒予防、整腸、胃の健康維持、減量などが挙げられます。

なぜ納豆にはこのような効果があるのでしょうか? そして、食べる際に何を注意すべきかをお話ししましょう。

 

スーパーフード納豆

納豆(Shutterstock)

 

納豆の健康効果はその作り方によります。日本人が納豆を食べる歴史は少なくとも千年前にさかのぼります。作り方は、大豆を蒸してから、納豆菌(Bacillus natto)が含まれている藁(わら)で包み、一定の温度を保ちながら発酵させれば、出来上がります。

納豆の最大の特徴はその粘りです。糸状の粘りは納豆菌が大豆の成分から合成したポリグルタミン酸(天然のアミノ酸ポリマー)です、胃を守り、食べ物や老廃物をスムーズに腸内を通過させ、毒素や有害物質を体内に残さないようにする効果があります。

納豆菌は有害な細菌を分解し、その活動を抑制する一方、善玉菌を活性化させます。

研究によると、納豆には病原性大腸菌、ピロリ菌、黄色ブドウ球菌を効果的に抑制する抗菌物質が含まれています。また、別の研究では、納豆が抗ウイルス作用を持ち、納豆キナーゼがCOVID-19ウイルスの表面にあるスパイクタンパク質を破壊できると言います。納豆は腸内の善玉菌、特にビフィズス菌を増やす作用もあることがわかりました。腸内のビフィズス菌が少ないと高血圧や糖尿病などの代謝疾患に繋がってしまいます。

これだけの効果が揃うと、納豆は名実ともにーパーフードですね。

 

6つの健康効果

1.消化促進

納豆には腸内環境を整える作用があり、下痢、感染症、腸炎、膨張感、消化不良、便秘などの治療効果が期待できます。

2.骨粗しょう症の予防

納豆から生み出されるビタミンKは、野菜に含まれるK1とは異なり、K2型です。骨のカルシウム形成を促進し、骨のカルシウムを過剰に流出させることを防ぐため、骨粗しょう症の予防に効果的です。

3. 血栓の予防

納豆菌が発酵する際にできた納豆キナーゼはタンパク質分解酵素の一種で、強力な血栓溶解作用があります。動物実験によると、納豆キナーゼは胃(酸性)や腸(アルカリ性)を通過してもその酵素活性を失いません。つまり、納豆を直接食べることで、血液中の血栓を溶かす効果があります。

日常生活の中で納豆菌など発酵食品を意識して摂取し、さらにネギやニンニクなど天然食材と組み合わせることで、血液中に血栓の過剰蓄積を効果的に防ぎ、脳梗塞、心筋梗塞、血流障害などの病気を予防できます。

納豆を食べた後、4~12時間、納豆キナーゼは血液中に留まり、血栓予防の効果を発揮します。寝ている間は、血液が固まりやすいため、納豆は夕食で食べるのがお勧めです。

4.ガンの予防

納豆はガンの予防にも役立ちます。日本の研究によると、納豆をよく食べる女性は乳ガンの発症率が低いことがわかりました。

5.記憶力の向上

納豆にはレシチンも含まれており、短期の記憶力を向上させる効果があります。学生さんや忙しい仕事をしている人にとって、納豆は脳のサプリメントとして最適だと言えるでしょう。

6.ダイエットの味方

研究によると、納豆は脂肪の分解を促進するため、減量効果も期待できます。ダイエットを頑張っているあなた、納豆を試してみてはいかがでしょうか。

納豆は貴重な健康食品です。心血管疾患の予防から記憶力の向上まで、さまざまな効果が期待できる上に、味もよく美味しいのです。
 

納豆を食べるタイミング

夕食に食べることを推奨します。ただし、空腹を避けましょう。納豆には食物繊維がたくさん含まれており、空腹で食べる場合、胃腸の弱い方なら、不調を感じる場合があります。

普通なら、一日1パック(45グラム)で十分ですが、心血管疾患や血栓のリスクがある人には、2パック(90グラム)にしましょう。より効果が期待できます。

納豆菌の成長と酵素の作用は、冷凍すると一時停止する構造なので、納豆の保存は冷凍保存がベストです。

納豆の保存は冷凍保存がベスト(Shutterstock)

 

納豆を避けるべき5タイプの人

健康な人にとって、納豆摂取での副作用は心配ありませんが、下記症状に該当する人は、医師に相談しましょう。

1.腎臓機能が低下している人

納豆は大豆で作られています。タンパク質が多いため、腎臓に負担をかける可能性があります。

タンパク質が多いため、腎臓に負担をかける可能性がある(Shutterstock)

 

2.消化器系に持病をもっている人

胃潰瘍、胃の不快感、胃炎、頻繁に胃痛を感じる人は、納豆の摂取を避けましょう。納豆には豊な食物繊維が含まれており、胃に大きな負担をかけるからです。

3.痛風患者

納豆は豆製品であり、プリン体(プリン)の含有量が高いため、症状を悪化させる可能性があります。

4.血液凝固機能に異常がある人や抗凝血剤を服用している人

傷口からの出血がある人や手術後の人は納豆を避けるべきです。納豆には血栓予防作用があり、抗凝血剤の効果を妨げるため、食べる前に医師に相談しましょう。

5.血圧降下薬を服用している人

納豆キナーゼは薬の効き目を補強する効果があります、血圧を過剰に低下させるリスクを否定できないため、同時摂取は避けるべきです。食べる前に医師に相談しましょう。

日本人の長寿の秘訣「納豆」をご紹介させていただきました。老化防止や血栓予防をしようとする皆さん、食べ方はお分かりになったでしょうか、必要な方とぜひシェアしてください。

 

(翻訳編集 正道 勇)

呉国斌
心医堂漢方医院院長