中共党内に飛び交う噂 共産党元高官が共産党の退陣を呼びかける
中国共産党(中共)の指導部が北戴河で姿を消して以来、8月12日現在に至るまで公の場に現れていない。この間、中共の政権変動についての噂がインターネット上で拡散しているが、真相は明らかではない。
このような状況の中、中共の元高官であり、人民大学の元教授である冷傑甫氏が、中共の軍事委員会の副主席2人に宛てた公開書簡が、本人のものであることが確認された。
冷氏は書簡の中で、副主席の張又俠(中国共産党中央軍事委員会の副主席)氏と何衛東(中央軍事委員会の委員)氏に対し、「中華連邦共和国」の創設を支持し、中共に権力の放棄を促すよう呼びかけている。
冷氏は、習近平が重い病にかかっており、職務を遂行できない状態であるとの情報を受け、党、政府、軍の業務が張氏と何氏に委ねられているとして、彼らの支持を求めていると述べている。
しかし、このような噂が広がる一方で、中共の機関紙である「人民日報」は8月9日に張又俠氏に関する記事を掲載し、その見出しは「国防と軍の改革を着実に深める」だった。
その記事で張又俠氏は、習近平に少なくとも22回言及しており、習への支持と忠誠を強調する内容が多く含まれていた。
時事評論家の蔡慎坤氏は8月10日、プラットフォームXでの分析で、張又俠氏が「最近のさまざまな噂に対して明確な反応を示し、さらに習近平への忠誠心を表している」と述べたと伝えた。蔡氏はこの記事が習近平にたびたび言及していることから、習が軍をしっかりと掌握していることが、はっきりしていると指摘している。
一方で、蔡氏は北戴河での休暇が中共の高官たちに関するニュースが静まる時期であり、同時に様々な噂が広まりやすい時期でもあると言及した。北戴河にまつわる噂は具体的で、多くの国外の人々が、習近平に何らかの変化を望んでいるが、国内ではそのような兆しは見えていない。
時事評論家の李林一氏は大紀元に対して、中共の政治状況が、表面上は穏やかに見えるが、実際は裏で活発な動きがあると述べ、指導層が公の場から姿を消すと、すぐに様々な噂が立ち、これが新しい常態になっていると指摘している。
また噂には真実も偽りも含まれているが、それが真実であるかどうかにかかわらず、中国国民の心が変わりつつあり、これは歴史的に見て、政権が崩壊する前の兆候に似ており、中共の終わりが近いことを示唆していると述べた。