実質貯蓄の崩壊が大恐慌を引き起こした
有名な経済学者であるミルトン・フリードマン氏は、1930年代の大恐慌を引き起こしたのは連邦準備制度(FRB)の政策だと非難している。フリードマン氏によれば、FRBは銀行システムに十分な準備金を注入せず、マネーストックの崩壊を防ぐことができなかった。このため、フリードマン氏はM1(現金通貨+預金通貨)は1930年3月に263億4千万ドルだったが、1933年4月には190億ドルにまで減少し、27.9%の減少を記録したと主張している。
フリードマン氏によれば、マネーストックの崩壊の結果として、経済成長も同様に低迷した。1932年7月までに工業生産は前年比で31%以上減少し(図を参照)、また消費者物価指数(CPI)も前年比で急落した。1932年10月までにCPIは10.7%減少していた。
しかし、FRBがマネーストックを引き上げられなかったことが経済成長の崩壊を引き起こした可能性があるだろうか? もしそうだとすれば、貨幣は経済成長の担い手とみなされるべきである。経済成長には貨幣の拡張が必要であるという考えは、貨幣が何らかの形で経済活動を支えているという印象を与える。
関連記事
靖国神社御親拝停止はA級戦犯合祀が原因とする従来説に対し、1975年の政治問題化が契機だったとする新事実を検証
米中間選挙の行方を歴史的前例や世論調査の死角から分析。過去の先例を挙げ、議会勢力図の変動が必ずしも政権の終焉を意味しない本質を鋭く読み解く
中共の台湾侵攻を抑止する鍵は、食料供給の弱点にあるのか。米外交誌の論考は、大豆の輸入依存に着目。戦時の海上輸送の混乱が飼料や食用油の不足を招き、物価高や国民の不満が戦争継続を難しくする可能性を指摘する
米国防総省の「軍事基地90日間独立計画」は世界大戦の兆候なのか。本記事では、サイバー攻撃等のインフラ脅威に備える現実的な国防戦略の背景を解説し、過剰な戦争の憶測の誤りを指摘する
米国防情報局は、中共軍が2030年までに指向性エネルギー兵器を軌道上に配備する能力を備えると予測。米軍の通信・偵察衛星への脅威が増す一方、中共側にも技術や指揮系統の制約がある。米軍は衛星の分散配備や迅速な補充などで対抗する