2019年5月28日、中国上海の虹橋空港で旅行者が飛行機に搭乗している (HECTOR RETAMAL/AFP via Getty Images)

中国の富裕層が海外脱出、中国政府の経済運営と経済の見通しに不信

中国の富裕層、特に百万長者や億万長者が海外移住を進めている。中国共産党(中共)政府の経済運営と中国経済の将来に対する評価を移住という形で評価している。賢明な資金は中国から逃げ出しているようだ。2024年には、1万5200人の移住が見込まれ、過去最多となる。

投資移民を専門とする企業Henley & Partnersはこの動向を追跡しており、今年の予想数値は2023年の1万3800人から約10%増加していると報告している。これに加えて、香港からも500人の富裕層が離れると予想されている。移住先は主にアメリカ、カナダ、シンガポールだ。これらの富裕層がどれだけの財産を持ち出すかを正確に把握できないが、過去の経験から、Henley & Partnersは各移住者が3千万ドルから10億ドル相当の財産を持ち出すと推定している。

移住の理由は様々であるが、大半が中国現在の経済状況に内在する不確実性と、それが将来の投資収益に対する懸念が挙げられている。進行中の不動産危機と不動産市場の混乱がこの不確実性の根底にある。特に不動産価値の下落が家計の富を損ない、それが中国の経済成長全般に疑問を投げかけている。

▶ 続きを読む
関連記事
中国による海外オンライン証券への規制強化は、香港市場の流動性を奪い、投資家の資本逃避をさらに加速させる恐れがある。インサイダーリスクや、暗号資産・大手銀行への資産避難など、広がるチャイナリスクを解説
経済・軍事・資源・技術の各分野で米国が優位に立ち、中国共産党は依然として対抗困難とする論考。人口規模や成長神話の裏にある構造的弱点を指摘する
米中会談での合意の欠如は、今後の米中間の地政学的不安定性を示している。ホワイトハウスは中国側によるボーイング機200機および農産物の購入を含む合意事項を発表したが、中共政府側は公に同意していない
イラン政府がジハード組織の常套手段「停戦提案と和平協議妨害」のゲームを弄んでいることを、そろそろ認識すべき時だ。イラン政権はすでに米国の提案を拒否しており、その一方で傘下の部隊は停戦を破り続けている
米下院で可決された「強制臓器摘出阻止法案」を巡る、中国共産党の生体臓器収奪に関する公聴会の解説記事。法輪功やウイグル人等から臓器を強奪する非人道的な国家犯罪の実態と、米国の超党派による対抗措置を報じる