医師たちは6月2日、米フィラデルフィアで開かれた米国移植大会年次総会の会場前で、臓器狩り反対の膜を広げた(Frank Liang/The Epoch Times)

学者「ヒポクラテスの誓いに反する」 臓器狩り反対集会 米国移植学会総会の会場近くで

米ペンシルベニア州フィラデルフィアで今月初めに開催された米国移植学会(American Transplant Congress, ATC)年次総会の会場外で、中国における強制的な臓器摘出の実態に抗議する集会が行われた。地元の政治家、教授のほか、医師による倫理組織「強制臓器摘出に反対する医師の会(DAFOH)」の代表者らが参加した。

移植医療のエキスパートが一堂に会する米国移植学会は、中国の強制的臓器摘出問題を医学界に知らしめ、議論を促す貴重な場だった。

しかし、DAFOH副会長Weldon Gilcrease医師によれば、運営側はDAFOHの出席の申請を「会議の方向性が変わった、という理由で拒否した」という。

集会参加者らは、移植に携わる医師たちに倫理的な責任を呼びかけるとともに、中国への臓器移植ツーリズムを規制する法整備の必要性を訴えた。

デラウェア州下院少数党院内総務で州知事候補のMike Ramone議員は「この残虐行為に注目を集めることは不可欠だ。このような重大な人権侵害が続く中、私たちは傍観できない」と述べた。

ラサール大学政治学科長のMark Thomas教授は、強制的臓器摘出を歴史的な残虐行為になぞらえ、「中国政府が政治犯や法輪功学習者、キリスト教徒、ウイグル人に行っていることを、私はナチスのヨーゼフ・メンゲレが第二次世界大戦中にユダヤ人にしたことと同等だと考えている」と指摘した。

また、このような行為が倫理に反することを強調し、「何よりも害をなすなかれ(First Do no harm)」という医師のヒポクラテスの誓いの基本を損なうと指摘した。

さらに博士は「私たちは医学会議の前に立っている。うまくいけば、医師、看護師、医療専門家、さらには中国と協力している企業の人たちをつかまえて、『君たちのやっていることをもう一度よく考え直してくれ』と言えるだろう」と語った。

DAFOH西海岸代表のDana Churchill医師は、医療界の倫理的責任について熱心に語った。「医師は最高の倫理基準を守り、これらの犯罪行為に声を上げなければならない」と述べ、議会での決議案の動きにも言及。「議長は近く法輪功について具体的に言及した上で採決にかけると述べた。中国政府を締め付ける輪はどんどん狭まっている」と強調した。

集会の主催者で、フィラデルフィア法輪大法協会の代表を務めるAlex Luchansky氏は、草の根の活動の重要性を強調。「ホロコースト生存者の孫として、意識を高めなければこのような人道に対する罪を止められないと分かっている」と述べた。

集会の様子を見た男性は、「今まで知らなかったことを多く学んでいる。みんなに伝えるべき内容だ」と語った。

集会では、医療界や学術会などさまざまな立場の人々が結集し、中国での強制的な臓器摘出の実態を訴え、意識向上とこの残虐行為の終結に向けた行動を呼びかけた。参加者らは、国際社会が一丸となって圧力をかけ続けることが重要だと訴えた。

関連記事
「法輪功迫害を追査する国際組織」(追査国際)が、武漢市の臓器移植医療をめぐる深刻な疑惑を告発した。強制的な臓器摘出や短期間での移植実施など、衝撃的な実態が報告書で明らかにされている
学校で「転落死」とされた中国の高校生。説明は二転三転し、現場は変えられ、腎臓は摘出された。事故なら、なぜここまで不自然なのか――疑念だけが残った。
中国で臓器提供を「見義勇為(勇気ある善行)」として表彰する制度が拡大中。移植数と提供数の大きな差、学校での啓発、増え続ける失踪事件。 なぜ今、人々はこの動きを直感的に「怖い」と感じているのか
中国の医師が、心臓移植ドナーの多くは他省や南方から来ると暴露。異常な短期間で適合臓器を見つける「逆マッチング」や、一晩で9件もの手術を行う医療現場の闇、生体臓器収奪への関与が疑われる実態に迫る
中国で、人体の臓器提供を「見義勇為」として表彰・優遇する制度が広がりつつある。だが、この動きをめぐっては、中国国内で強い警戒感が広がり、ネット上では「誰のための制度なのか」と疑問の声が相次いでいる