米、先端半導体技術の違法輸出共謀で中国人2人を起訴
米司法省は、中国の製造業者に先端半導体技術の違法な輸出を共謀した中国人2人を起訴したと発表。
被告はリン・チェン(44歳)とハン・リー(別名リー・ハン・アンソン、64歳)で、いずれも中華人民共和国(通称中国)出身。チェン容疑者は今月シカゴで逮捕され、拘束されている。司法省によると、リー容疑者は中国にいるとみられている。
2015年から2018年の間に、チェンとリー容疑者は仲介業者を通じて、輸出ライセンス管理の対象となる機器を購入し、中国の成都嘉石科技有限公司(以下、成都嘉石)に出荷する計画を立てたとされる。
起訴状によれば、2人には禁固20年、罰金100万ドルが科される可能性がある。
成都嘉石は2014年以来、米商務省の規制対象企業リストに掲載されている。このリストに掲載された企業への販売は、中国企業が先端チップ技術を入手することを防ぐために設計された連邦法の下で、厳格なライセンス、開示、輸出管理の対象となる。
成都嘉石が米国の技術の禁止された販売の受領者であることが発覚したのは今回が初めてではない。2021年には、軍事用途の高出力シリコンチップに使用される「モノリシック・マイクロウェーブ・インテグレーテッド・サーキット(MMIC) 」を不正に輸出したとして、台湾の電気技師・石宇奇が、連邦刑務所で5年3か月の刑を宣告された。
起訴状によると、チェンとリーが輸出しようとした機器は、サンタローザのダイナテックス・インターナショナル社が販売する「DTX-150自動ダイヤモンド・スクライバー・ブレーカー」と説明されている。米当局によると、この機械は薄い半導体、つまりシリコンウェハーを切断するのに使用される。
ダイナテックス社は1958年に設立され、シリコンチップを作成する工程で使用される機器を設計・販売している。
FBIのロバート・トリップ特別捜査官は「米国の技術を中国に違法に輸出することを阻止することは、FBIの最優先事項の一つである。我々は、国家の安全保障と経済的安全保障を守るために設計された輸出管理法に違反する者を積極的に追及する」と述べた。