自民党の麻生太郎副総裁。2016年撮影 (Photo by Ng Han Guan-Pool/Getty Images)

 「もしトラ」に備え、麻生太郎氏とトランプ氏NYで会談

自民党の麻生太郎副総裁が、2024年4月23日にニューヨークのトランプタワーでトランプ前米大統領と約1時間にわたる会談を行った。この会談は、トランプ氏が再選された場合に備え、両者の良好な関係構築を図るものとみられる。 

麻生氏は、トランプタワーの玄関で笑顔で迎えられた。トランプ前大統領が不倫口止め疑惑をめぐる事件の審理に出廷している中での会談だ。トランプ氏は自身のX(旧ツイッター)に、ロビーで麻生氏を迎える写真を投稿し、「とても名誉なことだ」と述べた。両者は1時間の会談を通じお互いをよく知ることで理解を深めた。故安倍晋三元首相に話が及ぶと、「私の良き友人であり、偉大な人物だった。彼がいなくなるのは本当に寂しい」と語った。

上川陽子外相は23日の記者会見で、麻生氏の訪米は個人的な活動で、政府は関与していないと述べた。会談は自民党の政策に直接的な影響はないと考えているが、トランプ氏が2024年の大統領選で再選される「もしトラ」への対応は課題となっている。

トランプ政権は、過去に在日米軍の駐留経費の大幅な負担増や自動車など主要品目の関税引き上げなどを日本に求めた。再選された場合にはこの要求が強まる可能性がある。麻生氏との会談は、トランプ氏と良好な個人的関係を構築することが狙いであり、再選された場合は安倍政権時のような対米蜜月関係の再現を目指しているとみられる。

トランプ・麻生会談の2週間前、バイデン米大統領は岸田文雄首相と会談し、軍事協力や日米同盟強化に向けた一連のプロジェクト計画を発表した。世論調査では、トランプ氏とバイデン氏は拮抗している。

トランプ氏は3月以来、大統領選に向けて影響力を誇示するため、ポーランド大統領やハンガリーのオルバン首相、イギリスの外相など外国の要人と会談を重ねてきた。トランプ氏の広報担当者は、麻生氏との会談前に声明を発表し、「世界の指導者たちはトランプ氏の在任時のほうが安全で平和だったと分かっている」と述べた。

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