台湾国防部、中国が消耗戦略強化と指摘 周辺「埋め尽くす狙い」
Yimou Lee
[台北 7日 ロイター] – 台湾国防部(国防省)は7日、中国が台湾を消耗させる「グレーンゾーン」戦術を強化し、周辺地域を気球や無人機(ドローン)、民間船で埋め尽くそうとしていると、立法院(国会)に送付した報告書で指摘した。
ロイターが入手した報告書によると、国防部は中国側が巡視船や哨戒機を増やすなどして「多方面から」消耗戦略を展開し、台湾海軍や空軍の負担を増やして台湾海峡の中間線を曖昧にすることを狙っていると主張。
また、中国が調査船や民兵の船も動員し、民間人の活動を装いながら軍事活動を行っているとした。
中国国務院(内閣に相当)台湾事務弁公室はコメントの求めに応じていない。
中国の脅迫に対抗するため、台湾側はインフラの強靭性を高め、演習を実施するなどして衝突が長引いても台湾軍が機能を続けるための取り組みを進めているとした。
中国との長期戦に耐えられるよう武器や燃料を備蓄しているとも明らかにした。
紛争勃発後に中国が台湾を迅速に掌握し、外部からの介入を防ごうとできないよう台湾の指揮系統を多様化し、より機動的で長距離の兵器や人工知能(AI)を取り入れようとしているとしたほか、米国を含む民主主義同盟国との「つながり」を強化していると説明した。
関連記事
中共軍で台湾問題を管轄する「東部戦区」は1日、台湾周辺で陸海空軍とロケット軍による合同軍事演習を同日から開始すると発表したことについて、台湾国防部は、中国共産党政権について「国際社会最大のトラブルメーカーだ」と非難した。
27日、台湾有事などの緊急事態を想定し、沖縄県の先島諸島から住民約12万人を避難させる計画を初めて公表した。
ほんの数十年前まで抑止力の核を担っていた航空母艦(空母)は、もはやその力を失いつつある
台湾は22日、年次軍事演習「漢光」を開始した。今年はシナリオを用意せず、中国の攻撃をどのように撃退するかをシミュレーションし、可能な限り実戦に近づけることを目指す。
「ヨーロッパと中東において歴史的な衝突が発生しているが、インド太平洋が依然として我々の作戦行動の中心エリアであ […]