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この一人の盲人との戦争において見られた効率的でタイムリーな国家機関の動員、迅速な暴力資源の投入といった能力の高さは驚く程である。手強い相手――盲人の陳光誠氏を屈服させるため、実際に山東省は全ての社会資源を投入して全体を参加させる総力戦を行ったのである。
この戦争において山東省党委員会、省政府及び主要な指導者は、大局的な見地から状況を臨機応変に判断していた。特に張高麗省党委員会書記と韓寓群省長の2人の幹部は、この戦争において卓越した指揮能力と適切な状況把握能力を存分に発揮した。山東省党委員会、省政府の主要な指導者が、一つの省と一人の盲人との戦争において見せた気迫と能力は、彼らが「執政能力を高めた」結果に他ならない。
この戦争では、省党委員会と省政府の重要視と局面全体の統一的な配置の下、上級部門から下級部門まで各層の党委政府と各参戦部門が極めて強い「全体意識」を示した。
参戦した党委員会、政府、民政、警察、教育、町会、電気通信など全ての機関が見事な実績を挙げたのである。人民警察と現地の幹部は主に戦術的な役割を果たした。例えば殴打、強制連行、待ち伏せ、恐喝などである。それら絶対的な独裁制度の下の凶悪な手先は、上級部門から命じられた、いかなる卑しい任務をも果たす能力を有している。
教育機関もこの戦争において見事な手柄を立てた。彼らは陳光誠氏の2人の姪が在籍している学校を見つけ出し、学校側に「陳光誠は反革命分子である」という理由で、強制的に2人の子供を除籍させたのである。省党委員会と省政府は、この戦争の中で主要な役割を果たした。例えば電話の切断、パソコンの没収、携帯電話の機能停止、陳光誠氏宛の全ての書簡の没収、外部からの全ての支援の排除、外部から陳光誠氏宛に送られてきた粉乳など食物を郵便局に没収させるなどである。
この一つの省と一人の盲人との戦争において、上から下までの戦略的、戦術的な協調は完全無欠と言えるだろう! このことは山東省幹部らの卑劣な本質、及び権力を党の信頼できる人にしっかりと握らせたために如何に「よい情勢」になったかを現している。
しかしながら、この闘いの目的と手段は下品と卑劣さの極まりである。この戦争において、この経済的に大きな省は一見すると強大に見える。しかし今回の戦争に勝利することはできないだろう。一つの省と一人の盲人との間で、こう着状態が一年以上も続いているのである。
しかし未だ、山東省はこの戦争において決定的な勝利を得ることができていない。今回の戦争を通じて、世間の人々は十分に正義の価値を見直した。更に一見すると強大無比な独裁機関の脆さと弱さを見たのである。人々は、人類のこの時代において邪悪勢力がどれほど強大に凝集し、それが想像を絶するものだとしても、正義の光に当てられる中で邪悪な勢力が想像以上に衰退していることを見たのである。
この一つの省と一人の盲人との戦争は、いまだ先が見えず対峙している段階にあるが、しかし戦争の結末は始まりから揺るがぬ大勢が決まっていた。強大なる山東省党委員会、省政府は間違いなく敗北し、陳光誠氏は必ず勝利するだろう。非道が天理を服従させることはできないということは、それ程複雑な理屈ではないのである!
2006年1月5日 スパイに尾行される日々の中、北京にて
(続く)