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中国山東省の強大さは完全に「東部沿海地域」という理由に依拠している。2005年下半期から現在にわたり、山東省は一人の盲人との戦争を通じてこの沿海地域の忍耐力と強大さを世界中に披露した。
山東省は確かに沿海地域の名に恥じない。2005年に広東省で起きた殺人と略奪事件によって、山東省に残忍な暴力エネルギーが異常なほど蔓延していることを全世界に見せつけた。山東省は盲人の陳光誠氏との戦争において、そのやり方をそのまま踏襲した。
2005年10月4日、著名人権活動家の許志永博士と李方平弁護士らは、山東省党委員会が全省の邪悪な勢力を率い、解放軍が錦州を包囲攻撃した時と同様の手口で数ヶ月軟禁していた陳光誠氏を法律的に援助するため、現地へ向かった。省党委員会、省政府はそれに対して、戦略的に非常に重視し、戦術的に緻密な配置を行った。
あらかじめ現地の幹部を中心とした、悪党集団を組織して用心深く待ち構えていたのである。李方平弁護士らは移動途中に突然、対処する間もなく殴り倒され、警察署へ強制連行された。そして不法な取調べを受けた後、10月5日には北京へ強制送還されてしまった。
人類の戦争の歴史の中で、ファシズム集団の宣戦目的はほとんどが略奪であったが、しかし中国政府が国民に対して起こす戦争は状況が少し異なる。ほとんどの場合は野蛮な略奪の後、痛ましい被害を受けた公民が法律に基づいて権利を護ろうとするタイミングで開戦するのである。「太石村の血生臭い暴力事件」、「汕尾殺人事件」及び山東省が盲人の陳光誠氏に対して起こした戦争は、どれも例外なくその法則に則っていた。
一つの省と一人の盲人との間に勃発した今回の戦争を導いたのは、山東省党委員会と省政府の、国民の尊厳を残酷に虐殺する悪習だった。2005年に再び、恥知らずなマフィア的手口を用いて山東省臨沂で野蛮で暴力的な「結さつ(避妊手術)」を行い、再び国民を苦痛の深淵に突き落とした際、この天理に逆らい、国民の怨みを買うやり方は地元の著名人権活動家である陳光誠氏の関心を引いた。
陳光誠氏が法律に基づいて調査活動を始めたところ、その行動は一貫して無法の限りを尽くしてきた政府の狂気と失態を刺激したらしく、善良な民衆に犯した甚だしい罪を隠蔽するため、党委員会と政府等は再び悪党を集めて弾圧の旗を掲げた――すなわち山東省の総力を挙げて一人の盲人との戦争を開始したのである。
この未だ先の見えず、全世界に注目される中で勃発した一つの大きな省と一人の盲人との戦争を通じて、外の世界は「東部沿海地域」山東省の「忍耐力と強大さ」を目にしたばかりではなく、この東部沿海地域が党の執政能力を強化した後、特に「先進性を保持する整党運動」の威勢を借りて、全省の党、政治、警察が盲人の陳光誠氏との戦争において一致団結したことに、最も驚かされたのである。
(続く)