(大紀元)

高智晟著『神とともに戦う』(75)権利を護りぬいた軌跡「ヒューマニズムに勝るものなし

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過去6年間、中国人が見たのは政治運動の再来であり、組織的かつ緻密な迫害運動であった。「610弁公室」と呼ばれるテロリズム的な組織により、1億人にのぼる法輪功修煉者に対して「名誉を貶め、収入源を絶ち、肉体を滅ぼす」という残忍な手段が用いられた。ほしいままに逮捕、殴打、拘禁、懲罰、解雇、強制的洗脳が行われ、国家のマスメディアは総動員で、偽りの宣伝広報を実施した。

個人の行為を全体化し、対立問題を作り上げ、強引に恨みの感情を煽りながら、国民を法輪功に反対に向けさせた。「610弁公室」は文化大革命時代の「中共中央文革指導チーム」にそっくりだ。中央から地方まで、あらゆる党政府機関、警察、裁判、労改(労働による思想改造)、国家安全機関と全てのマスメディアを横断する特権を持つゲシュタポ(ヒットラー時代の秘密警察)組織である。

彼らは緻密な計画のもとに法輪功を迫害し、国家テロ主義の総司令部的な役割を果している。610弁公室は地方の警察に対して直接の指令を下し、法輪功修煉者に対して無制限の拷問、性的虐待、ひいては殺害を実行させている。また修煉の意志を貫く法輪功修煉者に対して強制的な洗脳が行えるよう、地方の政法委員会に対して“強制洗脳班”の設立を指示した。

“610弁公室”の出現は、もともと最低水準にあった中国の法律体制を完全に瓦解させてしまった。

法輪功の同胞が受難して6年が経過するに際し、私達は各自の方法で、一人ひとりが真実を伝える必要がある。真実を伝えることは政府への叱責を目的としていないが、しかし政府に責められるような非が存在しない訳ではない。真相を明かして既に発生した、あるいは未だ継続中の真実に直面しなければならない。

それは文明社会が理性的に意見の不一致を解消する大前提である。我々の政府が調和のとれた社会を作り上げようと努力すると同時に、数千万の“法輪功”修煉者の身に大惨事をもたらしているという屈辱的な局面を終わらせない限り、この願いも幻に終わってしまうに違いない。

人類の信仰への攻撃は最も愚かな行為である。なぜなら人類の有史以来、いかなる勢力であろうと人間の善良な感情と理性に挑戦し、勝利した記録はない。将来もありえないだろう。6年前に始まった「法輪功」への迫害は、ヒューマニズムに挑戦するという愚かな選択であるが、しかしヒューマニズムはいかなる強大な勢力にも打ち負かされたことはない。

あからさまに言ってしまえば、法輪功への弾圧は既に失敗しているのだ。失敗した価値を堅持するくらいなら、人間の善良さという本来あるべき道に立ち返り、現実と向き合い、人間性への一貫した敵視を改め、人間性に寄り添うべきだろう。

6年前から今に至るまで、地方当局によって迫害が極力維持される中、迫害と精神的な踏みにじりによる被害は、一億人の法輪功修煉者と彼らの家族だけではなく、全中国、更に全世界の人々に及んでいる。理不尽な弾圧を正当化するための嘘と欺瞞の中で、誰もが知らず知らずのうちに傷つけられているのだ。

近い将来、真相は必ず世間に明かされる。各国政府と人々が真相を知るにつれ、徐々に自分自身もこの災禍により道徳的、精神的そして経済的に巨大な損失を受けた被害者であることに気付くだろう。私達には一刻も早く、外の世界に真実を理解してもらう行動をとる義務がある。

 (続く)

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