2023 年 11 月 21 日に満員となった北京小児病院(動画スクリーンショット)

WHO、中国肺炎を追跡調査 抗生物質への耐性を懸念

世界保健機関(WHO)は、中国で発生している呼吸器感染症を追跡調査しており、中国の医師と協力し、抗生物質への耐性について、詳しく調べることを初めて明らかにした。

10月以来、中国では呼吸器疾患が急増し、病院が満杯状態になっている。今年は3年近くにわたるゼロコロナ政策を撤廃した後、初めての冬となり、多数の子供たちが呼吸器疾患で入院している。中共(中国共産党)当局は肺炎マイコプラズマ感染が主な原因だと主張している。

11月29日、WHOの伝染病・パンデミック準備・予防部門代理のマリア・ヴァン・ケルクホフ氏は、中国の状況を「追跡」していると表明した。

「私たちは医療ネットワークを追跡し、中国の臨床医と協力して抗生物質への耐性(薬剤耐性)を調べている。この問題は世界中に広がっているが、特に西太平洋と東南アジアで顕著だ」

北京患者7割強に薬剤耐性問題

肺炎マイコプラズマ感染症は、小児では非常に一般的で、容易に治る軽度の呼吸器疾患。中国では、マイコプラズマ肺炎の治療に使用される第一選択の抗生物質に対する耐性が一般的な問題となっている。

2022年の査読付き研究では、中国における肺炎マイコプラズマの耐性率は、2千年以来、約80%と高水準を維持していることが判明した。

11月27日に、科学誌「ネイチャー」が掲載した論文によれば、北京におけるマクロライド系抗生物質に対するマイコプラズマの耐性率が70~90%である。つまり、マイコプラズマには、マクロライド系抗生物質が効かなくなっているということだ。

臨床的には、マクロライド系抗生物質は通常、細菌による肺炎の治療に用いられる。

論文は香港大学の疫学者であるベンジャミン・カウリング氏の話を引用し、「この耐性は治療の妨げとなり、細菌性肺炎感染の回復を遅らせるため、今年のマイコプラズマ肺炎の高率入院の一因となった可能性がある」と述べた。

小児科医でマウントサイナイ医科大学准教授のアニー・スパロウ氏も、「フォーリン・ポリシー」誌に投稿し、マイコプラズマ肺炎が致命的となることはほとんどないが、薬剤耐性は致命的だと指摘した。

推定では、世界で薬剤耐性菌による死亡数は年130万人で、新型コロナウイルス(私たち大紀元グループは「中共ウイルス」と呼んでいる)を上回っている。薬剤耐性は世界的な課題となっているのだ。

スパロウ医師は、中共が薬剤耐性のある肺炎の蔓延を隠蔽していることが、さらに大きな脅威をもたらしていると考えている。同氏は、中共は「一般的で潜在的に致死性のウイルスの抗生物質耐性株の培養を行っている可能性がある」と述べた。

 

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