世界最大級の交通量を誇る貿易航路であり、重要なシーレーンでもある混雑したシンガポール海峡に停泊する数々の船舶。 画像提供(AFP/GETTY IMAGES)

海洋領域監視技術に目を向ける同盟・提携諸国

インド太平洋地域を占める海洋には、主権の保護および航行と通商の自由の維持という観点から非常に大きな課題が存在する。これは軍事計画立案者の間では「距離の専制」と呼ばれる問題である。

アナリスト等の見解によると、距離という障害を克服して海洋領域を監視する上で、衛星、センサー、無人航空機、無人水上艦などの技術を活用し、同志国の間で包括的に情報共有に取り組むことの重要性がますます高まっている。

ハワイを拠点とする外交政策研究機関パシフィック・フォーラムが発行する『PacNet』の2023年4月の記事には、「インド太平洋における海洋領域認識(MDA)は、抽象的な願望から、この地域のダイナミックなオフショア空間を管理するための機能的な集団安全保障アプローチへと移行しつつある」と記されている。 さらに「より鮮明で正確な映像を取得できる衛星、また船舶の追跡、予測、異常検出に特化した人工知能(AI)やビッグデータプラットフォームといった新興技術を活用することで、海上取締活動のコストを大幅に削減することができる」という記載もある。

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