(大紀元)

高智晟著『神とともに戦う』(43)司法部の野蛮行為に対する反論①

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私はかつて、「政府が何もしないことこそ、人民にとって一番の善行である」と題する文章をつづった。実際、何もしないほうが政府にとっても良いことなのだ。何もしないならともかく、一旦何かをすると、必ず自らの愚かさを露呈してしまう。彼らには理性も道徳もなく、自制することをみじんも知らないから、毎回そういう羽目に陥るのである。

 司法部(訳注、日本の法務省に相当)の愚かな失態といえば、こんなことがある。2005年11月、当局は私がかつて働いたり住んだりしたところまで出向き、私の身辺調査を行った。その調査の目的は、「高智晟はいかにして弁護士から、聞く耳を持たない『壊分子(悪人)』に変わったのか」という、滑稽極まりないものだった。これは、今回の「(高)晟智弁護士事務所」に対する野蛮な弾圧の首謀者が司法部であり、しかも矛先は私そのものであると、彼らが自ら白状したようなものだ。これは、当局の愚かな行為の一例であろう。

 司法部はその後、「高智晟の『優秀弁護士トップ10』は偽物だ」と発表した。しかも、それを証明するという電話の内容すら提供したのである。(編者注、2001年に司法部と中央テレビ局が合同で行ったイベントで、高弁護士が中国で最も栄誉ある弁護士10人のうちの一人に選ばれたことを指す) 

 これについて、私は次の3点しか言いたくない。第一に、当局が与えるいかなる「栄誉」も、私にとっては一文の価値もない。第二に、もし司法部の話が本当なら、2001年に司法部と中央テレビ局が鳴り物入りで行ったイベント自体が偽物だったことになる。

第三に、あの時「優秀弁護士トップ10」として表彰された弁護士は私のほかに、北京の康健氏と顧永中氏、遼寧省の陳慶陽氏、天津の龐彪氏、吉林省の修宝氏、重慶の張元炳氏、雲南省の劉胡楽氏などがいるが、彼らも私と同じく「偽物」なのだろうか。換言すれば、「優秀弁護士トップ10」に選ばれた私たち10名が偽物であるならば、それを選んだ司法部こそが「偽物作り」を働いたのであって、私がそうしたわけではない。

 (続く)

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