(大紀元)

高智晟著『神とともに戦う』(35)弁護士の使命(2)

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高智晟著『神とともに戦う』(34) 弁護士の使命(1)

公平および社会正義を守るという角度から言えば、刑事案件の弁護における弁護士の地位と役割は極めて突出している。訴訟は一般に、双方が争うという明確な特徴を備えているわけだが、この点において、民事訴訟では双方とも法律上対等な地位にある。

しかし、刑事訴訟はそうはいかない。それは国家と個人との間の争いであり、両者の力の差は想像を絶するほどなのだ。例えば中国においては、個人の力は元々極めて弱い上、時には手足さえ縛られて、自由を奪われてしまう。これこそ、形式上の不公平の典型的な現われだ。しかも一方の国家は、軍隊・警察・検察官・裁判所および果てしない規模の財政基盤を有している。弁護士の介入は実際、この無限大の国家権力に対する一種の歯止めなのである。

中国の弁護士にはもう1つの使命がある。それは私が長年の実践を通じ、探し出した使命でもある。すなわち、安全を確保し、生き残るための経営上の使命である。そのことを踏まえて、別の話題をお伝えしたい。

2.中国の弁護士の現状および、それが弁護士の使命に与える影響

私は先日、「民間経済と法律保障」というテーマの研究討論会から招待を受け出席したが、この集まりは、最後になると弁護士の業務に対する「糾弾」会へと変わっていた。そこで民間企業の経営者の口から最もよく出た言葉、それは「今の弁護士に唯一残っている役目は、訴訟の際、裏からコネをつけることぐらいだ」であった。

この場で弁護士資格を持つものは私1人だけだったし、一部の経営者は私とは顔なじみだったので、彼らは発言の中で皆、私を慰めるつもりでこう述べた。「高さん。高さんが素晴らしい弁護士だという点は認めます。でも今の裁判では、素晴らしい弁護士こそ誰よりも無力なのです」。この言葉は私の心を鋭く切り裂いたが、その観点は決して驚くべきものではなかった。

 (続く)

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