(大紀元)

高智晟著『神とともに戦う』(18) 我が平民の母7

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私たち7人の子どものすべてが、母の精神世界にとっての中心だった。たとえ今わの際になっても、わが子と孫たちの名を繰り返し呼び続けた。息を引き取るまで、何度も何度も数え切れないほど。これに思いをはせたとき、私たちの心は筆舌に尽くしがたいほど痛む。人生の最後の数ヶ月で、私たちにどれほど細やかな、いたわりの心で接してくれたものか。私たちも感動のあまり、あふれる涙を禁じえない。

もしこの世で最も偉大な母を投票で決めるのならば、どの母親もわが子の数だけの票を獲得するであろう。私の母は、最も偉大だ。この文章を完成させるために、そう言っているのでは断じてない。

私は、胸を張ってこう言える。「母は、この世界を背負って生きてきた」。母は平凡な人間であったが、これが母の偉大な品格に影響することはない。母の偉大な品格は長いことずっと、日常生活の些細な所作に現れていた。

母は一生のうち、ほとんどを逆境に身を置いた。しかしその逆境の中、母は途切れることなく同じく逆境にいる人たちへの援助を惜しまなかった。一生貧しかった母は、困っている人に手を差し伸べ続け(ここまで書いて、私の目は涙であふれた)、広い心で物事に対処した。

母の偉大な品格は、いつまでも私たちに影響を与え続ける。ほぼ一生を貧民として生きた母。だが、私たちに限りない心の財産を与えてくれた。この数日、一家は涙の中で過ごしたが、母の偉大な品行への追憶は尽きなかった。だが、その追憶の過程で私たちはみな、「どんなに頑張っても、その母の愛の一割さえ恩返しできない」と感じていた。

母は一冊の本である。一文字すら読めなかったけれども。母の偉大な品行を振り返るとき、私は苦しくとも幸福であった。実際、一篇、いや百篇の文章でも、母にまつわる思い出は書ききれない。だが、どうあっても私は書き残さねばならない。母への思いを表すために。

この文章を結ぶにあたり、私はひとり「王家川」という山村まで車でやってきた。そして、母が生まれた洞窟を探し当てた。

 母は神霊である――私たちの心の中で、永遠に神霊なのだ。

私たちは母を失った。しかも永遠に失ったのだ。これは私たちにとって、永遠に続く心の痛みだ。

母はそのか細い体で、最後までたくましく、背負うべき重責を担いきった。一方私たちは、この母を失った巨大な心痛に耐えることが出来ない。

 (続く)

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