トウモロコシ畑で保護された捨て犬の「華麗なる変身」物語=米国 テキサス

米国テキサス州ラボック市のトウモロコシ畑で、ひどく汚れ、目や口がどこにあるのかもわからないほど毛が伸びきった「生きもの」が発見された。よく見ると、首にベルトがついたままの捨て犬であるらしい。

発見者がネット上で助けを求めると、動物愛護協会「South Plains SPCA」に登録するスタッフが救援に向かった。この犬はマット(Matt)と名付けられた。

保護当時のマットの状態はひどいもので、皮膚は虫などによって傷つけられ、爪は伸びて5センチにもなっていた。また、首のベルトは、息ができないほど食い込んでいた。

動物保護団体で6年ほど働いてきたトーリ・ヒューストン(Tori Houston)さんは、エポックタイムズに対し「マットを見たときは衝撃的でした。私たちがこれまでに見てきたなかでも、捨て犬としては最もひどいケースです。目や口が、どこにあるのかもわからないほどでした。伸びた毛に覆われていて、性別さえわからなかったのですから」と語った。

救援スタッフは、マットの首に食い込むベルトを切ることには、なんとか成功した。ところが、伸びた毛を刈ろうとすると、マットは苦痛の叫び声をあげ、抵抗したという。

結局、先に鎮静剤を投与することになり、マットは動物病院へ連れて行かれた。そこで「華麗なる変身」を遂げることになる。

「まるで生まれ変わったようです!」と同協会はSNSを通じて、マットの様子を伝えていた。

羊毛のように刈り取られたマットの「毛皮」の重さは、1.3kgにもなった。

マットは、心臓病やダニが媒介する病気にかかってはいなかったが、貧血や目の炎症がみられ、歯も治療が必要だった。一般家庭に里子として引き取られるには、さらに約6週間の治療を要するとヒューストンさんは見積もった。

マットの状況を知った多くの人々が寄付という形で手を差し伸べ、マットは現在、順調に回復中だという。

「マットは本当にかわいくて、優しい子です。散歩が大好きで、音が出るおもちゃで遊ぶのもお気に入りらしいですね」とヒューストンさんは語った。
 

(エポックタイムズ記者:Anna Mason報道)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。