軍事ジャーナリストの鍛冶俊樹氏は空自OBとして、移動式レーダーの離島配備の欠点を指摘した。写真はレーダーのイメージ図 (Photo by RICHARD A. BROOKS/AFP via Getty Images)

【寄稿】空自OBが語る 太平洋離島にレーダー新設することが致命的失敗である理由

移動式レーダーを固定式レーダーとして使用すれば、固定式レーダーと同様、真っ先に破壊されてしまい、有事の際のレーダー機能の維持が不可能になろう。レーダーの機能が失われれば、航空自衛隊は壊滅し、日本の制空権は敵に奪われよう。

「太平洋離島 レーダー新設」こんな見出しが7月25日に産経新聞の第一面に躍った。「警戒『空白地帯』解消」「防衛省検討 中国念頭に防空強化」との小見出しが続く。航空自衛隊のレーダー基地が太平洋には全くないので、移動式のレーダーを太平洋の北大東島に配備する計画を防衛省が検討している、と記事は伝える。

「背景には、太平洋への進出を活発化させている中国の存在があり、防空態勢の強化が急務になっている事情がある」と解説している。この記事を読んだ人は、「これは日本の防衛力を強化することだから、大いに結構」と得心するであろう。

▶ 続きを読む
関連記事
日米共同演習「キーン・ソード27」が10月19~29日に行われる。自衛隊約4万5千人が参加予定で、前回より規模を拡大。フィリピンや欧州各国の軍も実施部隊等に加わる。特定の国は演習の相手として明示していない
自衛隊がインドネシアの山林火災で、海外初となる消火任務を終えた。CH-47輸送ヘリ3機で40回超の活動を行い、約220トンを放水。火災が続くなか、現地側が自力で対応可能になったことを受け、撤収する
小泉防衛相は29日の会見で、広島・長崎の惨禍を繰り返さない決意を示す一方、侵攻を防ぐ抑止力の必要性を訴えた。非核三原則などをめぐる「タブーなき議論」には被爆地から反発も出ている
日本政府は安全保障政策の見直しを加速させている。AIやドローンなどの「新たな戦闘方式」が、「安保3文書」改定の重要な課題となる。元自衛官の矢野義昭教授は、2026年版「防衛白書」が3文書の改定に向けた重要な参考資料になるとみている
留任した小泉進次郎防衛相は、年内の安全保障関連3文書改定へ「1年目以上の速度と強度で」取り組むと表明。核や原子力潜水艦を含む議論、沖縄の基地負担軽減にも言及した