米国防総省の報道官は6日、半導体の材料となるゲルマニウムの戦略的備蓄を保有しているものの、現時点でガリウムの備蓄はないと明らかにした。写真は2020年10月、米バージニア州の国防総省(2023年 ロイター/Erin Scott)

米国防総省、ゲルマニウムの戦略的備蓄保有 ガリウム備蓄はなし

[ワシントン 6日 ロイター] – 米国防総省の報道官は6日、半導体の材料となるゲルマニウムの戦略的備蓄を保有しているものの、現時点でガリウムの備蓄はないと明らかにした。

中国は今週、半導体の材料となる一部のガリウムとゲルマニウム関連製品の輸出管理を強化すると発表。8月1日以降、輸出許可を得る手続きが必要になる。許可なく輸出したり、許可された量を超えて輸出した場合は処罰される。

国防総省の報道官は、同省が国防生産法に基づき、「ガリウムやゲルマニウムなど、マイクロエレクトロニクスやサプライチェーンに重要とされる素材の国内での採掘や製造拡充に向け積極的な措置を講じている」と述べた。

米国防産業協会のエマージング・テクノロジーズ・インスティチュートのエグゼクティブディレクター、アルン・セラフィン氏は、米防衛大手ロッキード・マーチンなどがガリウムやゲルマニウムを直接購入しないとしても、中国のガリウムやゲルマニウムを調達しているサプライヤーから半導体を購入している可能性が高いと指摘。そのため、中国の輸出制限によって「国防総省のシステムに絡み生産が遅れる」もしくは「コストが増大する」可能性があるという見方を示した。

一方、航空宇宙産業協会のバイスプレジデント、ダック・ハードウィック氏は、防衛企業は主要な素材をかなり前から購入する傾向があるため、輸出制限による短期的な影響は限定的と述べた。ただ、国防総省がいずれガリウムとゲルマニウムの代替調達先を見いだす必要があると指摘した。

*写真を添付して再送します

関連記事
国際港湾労働者協会と米国海運連合は10月3日に合意に達し、既存の労働契約を2025年1月15日まで延長することを発表した。この合意により、米国東海岸およびメキシコ湾沿岸で発生していた航運の停止を引き起こしていたストライキが即座に終了した
10月1日夜、アメリカ副大統領候補によるテレビ討論会がニューヨークで行われた。90分間の討論では、アメリカ南東 […]
米国商務省が中国の脅威に対応し、AIチップの輸出規制を強化。データセンターは申請を義務付け、最先端技術の保護を図る。
アメリカ36港ストライキ、経済に影響 アメリカ東南部・南部の36港で4万5000人がストライキ。1977年以来の規模で、食品や自動車業界への影響が深刻。食品雑貨店ではバナナなどの不足が予想され、自動車産業も打撃を受ける可能性が高まっている。
過去50年で最も致命的なハリケーンの一つ「ヘリーン」は30日、ノースカロライナ州を直撃し、道路を破壊し、大規模な停電を引き起こした。この致命的なハリケーンでバンカム郡では死亡者数が35人に達した