ニラが嫌い? 疲労回復のほか、体重や血圧を下げる効果も期待できる(1)

餃子やあらゆる炒め物の調理に欠かせないニラは、その独特の香りと新鮮な緑色が料理を引き立てます。 料理の見た目に新鮮さを与えるだけでなく、味にも新たな一面を与えてくれるのです。

実はニラには、疲労回復や血行促進、免疫力強化、がん予防やがん対策に効果的なさまざまな栄養素が含まれています。

疲労回復に効果的なニラ 5つの大きな効果

ニラは、その栄養成分から見て、次のような主な効果を持つ、疲労回復に適した野菜といえます。

1. 目の保護とスキンケア (β-カロテンの含有量が最も多い)

ニラは栄養が豊富ですが、中でもβ-カロテンが緑黄色野菜の中で最も多く含まれていることが特徴です。

β-カロテンは、ニンジンやホウレンソウなどの野菜に多く含まれていますが、ニラは100gあたり3500マイクログラム(μg)と、さらに多く含まれています。β-カロテンは体内でビタミンAに変わり、目や肌の健康維持に欠かせません。

2. 肌の新陳代謝を高めて老化を防ぐ (ビタミンEを含む)

ネギに含まれるビタミンEは強力な抗酸化物質で、体内の活性酸素(フリーラジカル)を抑制し、肌の新陳代謝を高めて老化に対抗し、美肌作りをサポートします。

3. 免疫力を高める  (殺菌作用のアリシン)

ニラの独特の風味を生み出す栄養素はアリシンで、ビタミンB1との組み合わせで体内に長く留まり、疲労回復に効果があります。

また、アリシンは消化液の分泌を促進し、内臓の活力を活性化させ、血行を良くすることで血栓を予防し、食欲を増進させます。

アリシンには強い殺菌作用があるため、長期間摂取することで免疫力を高め、風邪を予防する効果があります。

アリシンは、ビタミンBを含む動物のレバーと合わせると、疲労回復に効果があります。 (K321 / PIXTA)

4. 貧血を防ぐ  (葉酸を多く含む)

葉酸が不足することで起こる貧血を「巨赤芽球性貧血」といいますが、ニラには葉酸が多く含まれているので、その予防にもなります。 葉酸は赤血球の成熟に欠かせない栄養素で、特に妊婦は葉酸を多く摂取する必要があります。

5. 便秘を予防する  (食物繊維が豊富)

ニラには100gあたり2.7gの食物繊維が含まれており、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が含まれているため、お腹の調子を整えて便秘の予防に役立ちます。

また、ニラにはカリウムが含まれており、体内の余分な水分を排出し、血圧を下げたり、むくみを予防する働きがあります。その他にも、ビタミンCなど、美容上のデトックス効果やアンチエイジング効果があるビタミン類も多く含まれています。

ニラの栄養素を取り入れるのに最適な3つの食べ方

ニラに含まれるアリシンは疲労回復に最適ですが、熱に弱いため、栄養素を損なわないように調理する必要があります。

1.  生で食べるとダイエットや血糖値の上昇を防げる

生のニラは歯ごたえがあり、低カロリーなので、食べ応えのあるダイエット食材として、栄養を余すことなく摂取することができます。

グリセミック指数(食後血糖値の上昇度を示す指数)が26しかないニラは、ご飯など糖質の多い炭水化物を食べる前に食べると、血糖値の急激な上昇を防ぐことができます。

ただし、ニラは不溶性食物繊維が豊富なので大量摂取は避け、便秘や消化不良を起こす可能性があるので、1食にひと握り(約100g)程度がベストです。

ニラは生で食べたり、サラダにしたり、他の食材に添えたりと、いろいろな食べ方があります。

生のニラは歯ごたえがあり、低カロリーなので、食べ応えのあるダイエット食品です。(Graphs / PIXTA)

(つづく)
 

蔡雅