岸田文雄首相(右)は25日、訪日しているスリランカのウィクラマシンハ大統領(左)と会談した。大統領は、経済危機に陥った同国の債務再編協議が日本主導で進められていることに謝意を示し、11月までには協議が終了するとの見通しを明らかにした。写真は首相官邸で会談前に握手を交わす両氏。代表撮影(2023年 ロイター)

岸田首相とスリランカ大統領が会談、債務協議11月までには決着

[東京 25日 ロイター] – 岸田文雄首相は25日、訪日しているスリランカのウィクラマシンハ大統領と会談した。大統領は、経済危機に陥った同国の債務再編協議が日本主導で進められていることに謝意を示し、11月までには協議が終了するとの見通しを明らかにした。

会談の冒頭、岸田首相は「(スリランカは)日本にとって、自由で開かれたインド太平洋の実現のための重要なパートナー。きょうは両国の包括的パートナーシップのさらなる発展に向けて議論をしたい」と述べた。

ウィクラマシンハ大統領は「日本の助けなく債務再編をこれほど迅速には行えなかった」と謝意を示した。債務再編を巡っては中国を含めあらゆる債権国・債権者と協議しているといい「基本は全ての債権者に対して同じ扱いをするという原則を守っており、9月、あるいは11月までには協議が終了すると予想している」と述べた。経済危機の終焉を踏まえ、中断・中止していたプロジェクトを再開するとも語った。

ウィクラマシンハ大統領は2022年7月に大統領に就任。訪日は同9月の安倍晋三元首相の国葬参列に続いて2度目で、その際にも両首脳は会談した。

日本は22年に債務不履行(デフォルト)状態に陥ったスリランカの救済を巡って、フランス、インドと発足した新たな債権国会合を主導している。9日に開いた債権国会合の初協議では中国がオブザーバー参加となっており、中国の正式な参加を呼び掛けている。

(杉山健太郎、竹本能文 編集:田中志保)

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。