4月24日、スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は、2022年の世界の軍事費が実質ベースで3.7%増加し、過去最高の2兆2400億ドルに達したと報告した。写真はウクライナ・バフムトで榴弾砲を撃つウクライナ軍の兵士。23日撮影(2023年 ロイター/Sofiia Gatilova)

世界の軍事費、22年は過去最高 ロシアのウクライナ侵攻で

[ストックホルム 24日 ロイター] – スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は24日、2022年の世界の軍事費が実質ベースで3.7%増加し、過去最高の2兆2400億ドルに達したと報告した。ロシアによるウクライナ侵攻が背景にある。

欧州の軍事費は13%増と、冷戦終結後で最大の伸びを記録。ロシアとウクライナによる軍事費拡大が主因だが、その他の諸国も緊張の高まりを受けて軍事費を相次ぎ引き上げた。SIPRIの研究員は、中欧と西欧では今後数年間にわたり軍事費の増加が続く見込みだと述べたた。

ウクライナの軍事費は640%急増し、1949年までさかのぼるSIPRIのデータで最大の増加率となった。西側諸国から受けた膨大な額の金融軍事支援は含まれていない。

SIPRIは、米国からウクライナへの軍事援助が、22年の米軍事費全体の2.3%を占めると推定。米国の軍事費は他国を大きく上回ったが、前年比では実質ベースでわずかな増加にとどまった。

一方、ロシアの軍事費は推定9.2%増となった。ただ、ウクライナ侵攻開始以来、財務当局の不透明さが増しているため、数字は「かなり不確か」とした。

関連記事
疑わしきは罰せずというのは司法の原則だ。しかし軍事の原則は疑わしきは罰せよ、である。敵の先制攻撃を許して味方が壊滅したら、元も子もない。
5月31日、アメリカのオースティン国防長官と中国共産党の董軍防衛長官はシンガポールで開催された「シャングリラ・ […]
5月31日、シンガポールで開催されたアジア安全保障会議でフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領は、南シナ海での中国との衝突によりフィリピン人が死亡する事態が発生した場合、これは「戦争行為」に極めて近いと警告した。中国共産党の挑発的な行動に対し、フィリピンは「米比相互防衛条約」を発動する可能性があり、この状況は国際社会にとって深刻な懸念材料となるといった。
過去10年間、アルゼンチンにおける中国共産党の軍事的存在感は高まる一方だった。幸いなことに、新しく就任したハビ […]
アジア太平洋地域に対する中国共産党の軍事的圧力が高まるなか、陸海空自衛隊は6月7日から18日にかけて、米軍主導の大規模演習に初めて参加する。同盟国軍との連携を強め、抑止力と対処力を高める。