東京電力の福島第ー原子力発電所の構内を埋め尽くす処理水タンク(石井孝明氏撮影、2016年9月)

福島での風評被害の拡散 なぜ止められなかったのか

今春から東京電力福島第一原子力発電所では構内にタンクで貯められている処理水の海洋放出が行われる予定だ。廃炉と復興を進める上で避けられない取り組みだ。それにもかかわらず、10年近く水が貯められ問題になってきた。

「少数意見に当事者が配慮しすぎて解決できない」。この問題を観察すると、日本で繰り返される状況が見えてくる。

私は福島第一原発を3回取材し、最後の訪問は2016年だった。その際、敷地が処理水を入れたタンクで埋め尽くされていた。訪問当時のタンクの数は約700基だったが現在は約1000基に増えている。タンクは高さ8メートル前後の巨大なもので、東電は明らかにしていないが建設費用は1基数億円と推定される。

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