インド政府、貿易決済に人民元を使わないよう要請=消息筋
[ニューデリー 13日 ロイター] – インド政府は銀行や貿易業者に対して、ロシアからの輸入の代金支払いに中国人民元を使わないよう働きかけている。中国との間で長期にわたって続く国境係争が背景にある。政策決定に携わった政府当局者3人と銀行筋2人が明らかにした。
政府当局者3人によると、インドはロシア産の石油や石炭の取引で最大の買い手に浮上したが、政府は貿易決済ではアラブ首長国連邦(UAE)の通貨ディルハムを使うよう勧めている。
この問題に直接関わった政府当局者の1人は、政府は人民元による決済を「快く思わない」が、「ディルハムは大丈夫だ」と話した。
銀行筋2人は、インド準備銀行(中央銀行)は人民元による貿易決済に乗り気ではないと述べ、政府が人民元の利用を妨げていると認めた。
別の政府当局者1人は、政府は中国との関係が改善するまで人民元での決済を認めることができないと述べた。
インドと中国は2021年以降、ヒマラヤの国境地帯に数千人規模の軍隊を配置しており、こうした対立が両国関係全体に影を落としている。
政府当局者3人と銀行筋2人はいずれも、政府が人民元決済の受け入れに消極的な態度を取る背景に経済的な理由もあるかどうかには言及しなかった。
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