パキスタンの北西部ペシャワールにある混雑したモスクで30日、警察を標的とした自爆攻撃とみられる爆発が起き、少なくとも32人が死亡した。この地域ではイスラム過激派の活動が活発化している。写真は同日、自爆攻撃があったペシャワールのモスクで進められる救助活動(2023年 ロイター/Fayaz Aziz)

パキスタンで警察標的の自爆攻撃、死者59人に TTPは関与否定

ペシャワールパキスタン) 30日 ロイター] – パキスタンの北西部ペシャワールにある混雑したモスクで30日、警察を標的とした自爆攻撃とみられる爆発が起き、少なくとも59人が死亡した。この地域ではイスラム過激派の活動が活発化しているが、犯行声明は今のところ出ていない。

パキスタンのイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動(TTP)」は「この攻撃とは無関係だ」との声明を発表し、関与を否定した。

パキスタンのシャリフ首相はこれを自爆攻撃だと非難。ペシャワール警察署長はロイターに対し「自爆攻撃だった」とし、死亡者の大半が警察官だったと説明。負傷者170人の多くが重体とも明らかにした。

爆発が起きた際、モスクには最大400人がいたという。

モスクは警察や地元警察の本部やテロ対策部門などがある、厳重に警備された「レッドゾーン」内に位置する。実行犯はそうした警備をすり抜けて侵入しており、「明らかに警備上のミスがあった」(ペシャワール警察署長)とみられている。

正午の礼拝中に起きた爆発により、モスクの上の階が崩壊。州当局者は「がれきの下に何人取り残されているか分からない」としている。

在パキスタン米国大使館は「この恐ろしい攻撃の犠牲者の家族に深い哀悼の意を表明する」と声明を発表した。

アシフ国防相はGeo TVに「テロリストは最前列に立っていたことが分かっている」と語った。

国営放送PTVの映像は、警察や住民が爆発現場からがれきを取り除いたり、負傷者を肩で担いで運んだりする様子を映し出した。

今回の爆発は昨年3月にペシャワールで起きた自爆攻撃以来、最悪の規模。昨年3月には金曜日の礼拝中にイスラム教シーア派のモスクで自爆攻撃が起き、少なくとも58人が死亡、200人近くが負傷し、過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出していた。

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