自民党税制調査会の会合が14日午前開かれ、防衛費増強の財源確保に向け、法人税とたばこ税、復興特別所得税を税制措置の対象とする方向性を確認した。宮沢洋一税調会長が記者団に明らかにした。写真は日本の国旗。2012年12月、都内で撮影(2022年 ロイター/Yuriko Nakao)

防衛財源確保で増税に反対論、15日も議論=自民税調小委員長

[東京 14日 ロイター] – 自民党税制調査会の小委員会が14日午後開かれたが、明日15日も議論を行うことになった。2027年度に1兆円不足する防衛費の財源確保に向け、法人税とたばこ税、復興特別所得税を税制措置の対象とする案が示されたが、出席議員から反対論が相次いだ。塩谷立・小委員長が記者団に明らかにした。

塩谷小委員長によると、「安定的な財源の必要についてはみな発言していたが、決める段階でもっといろいろな考え方を踏まえ、時間をかけた方がよいとの意見が多かった」。

午前中に開かれた税調幹部会では、宮沢洋一委員長らから復興特別所得税について、現在2037年とされている期限を14年延長する代わりに一部を防衛に利用する案や、たばこ税の段階的な引き上げ、法人税については、納税額に一律に上乗せを行う付加税方式による増税案が提示され、方向性は共有された、と宮沢氏が話していた。

多数の議員が参加した午後の会合では、復興特別所得税の活用について「(来年の)統一地方選で東北はどうなるのか」などの異論が相次いだ。

塩谷氏も「今回のことで復興が遅れることがないとの前提で行うべきとの意見があった」と紹介した。

法人税の引き上げについても「厳しい経済状況の中、賃上げや設備投資を促す中で(増税が)よいのかとの慎重論が出た」(塩谷氏)という。一方、「企業が日本にとどまっている中では、増税を法人のみなさんにお願いすべきという意見もあった」(同)という。

防衛費増強に伴う財源不足を補うための政府増税案については自民党内に反対が根強く、週内にもとりまとめが予定されている与党税制大綱に、時期や規模を含めどこまで具体的な増税案を盛り込むことができるかが焦点となっている。

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