オーストラリアは現有のディーゼル潜水艦を原子力機動に置き換えることを計画している(Royal Australian Navy)

核兵器不拡散条約NPTで米英豪「オーカス」を批判する中国 不透明な核開発の隠れ蓑

米ニューヨークでは1日から、核兵器不拡散条約(NPT)運用再検討会議が開かれれている。この時期に合わせて、中国は米英豪による3カ国戦略枠組み「AUKUS(オーカス)」の原子力潜水艦提供を「核兵器の拡大」だと訴え、国際社会を巻き込み、原潜計画にネガティブな印象をもたらすことを狙う。いっぽう、中国は不透明な核兵器開発と保有を続けている。

2日、中国代表団はNPT会議の演説で、オーカスや、インド太平洋地域における北大西洋条約機構(NATO)の核共有モデルの議論について批判した。NATO式核共有モデルは、7月に凶弾に倒れた安倍晋三元首相が、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて発信していたアイデアでもある。

「米英豪間の原子力潜水艦協力は、NPTの趣旨及び目的に反して、深刻な核拡散リスクをもたらす」「国際社会は、不拡散分野における二重基準を拒否すべきだ」と中国代表団は訴えた。このほか、「NATOの核共有モデルをアジア太平洋地域で再現しようとする試みは、地域の戦略的安定を損ない、域内諸国によって断固として反対され、必要な場合には厳しい対抗措置に直面することになる」と米欧を牽制した。

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