大規模通信障害に対する備えは十分なのだろか。写真はイメージ (Photo by ADRIAN DENNIS / AFP)

大規模通信障害で買い物もできない トロント在住の筆者が考える対策の重要性

7月、日本とカナダはともに大規模通信障害に見舞われた。職場や社会生活においてインターネットへの依存度がますます高まるなか、通信のトラブルがもたらすリスクも無視できないものとなっている。筆者が住むカナダで7月8日に発生した通信障害では、通信・通話サービスが利用できなくなったほか、銀行や政府機関、カード決済サービスも一部機能不全に陥り、1,000万人以上が影響を受けた。原因となった大手通信事業者「Rogers(ロジャーズ)」は利用者に謝罪、信用回復に努めると発表した。

***

今となっては、Rogersで何が起きても、丸一日インターネットも携帯電話も使えなかった恐ろしい記憶がよみがえってくる。長年Rogersを愛用してきた私としては、あの日はまるで世界の終わりのようだった。リモートワークするのにインターネットが使えないだけだったらまだましだ。最悪なことに、通信が途絶えたため緊急通報もできず、家族や友人にも連絡できなくなり、更にクレジットカードでの買い物すら空頼みになった。大都会に身を置きながら、まるで絶海の孤島にいるように感じた。トロントに居るのに、全世界から隔離されたような感覚は、どこか奇妙で、しかし人を不安に陥れるものだった。

▶ 続きを読む
関連記事
米国は今、かつて経済が大混乱に陥った1960年代後半から1970年代初頭の状況と、怖いくらいによく似た危険な大インフレ期に突入しつつある
中国の債務はGDPの300%を超え、限界に達しつつある。だが、この経済減速は軍事的野心の縮小を意味しない。資源保有国であるカナダなどの西側諸国は、中国の台頭の盲信や中国崩壊という極端な見方を排し、戦略的備えが必要だ
AIは生活を変える一方、犯罪関与や依存、思考力低下など深刻なリスクも指摘される。フロリダ州の提訴を契機に、技術と人間の責任の境界が問われている
米最新鋭フォード級空母は電磁カタパルトなど新技術を一挙投入し、巨額費用と度重なる不具合という代償を払った。漸進的発展の原則を飛び越えた試みは、中国空母「福建」が抱える技術的リスクを映す鏡でもある
米国と欧州連合(EU)が中国に関税を課すなか、中国共産党政権は新たな輸出市場を模索することになる