中国経済、統計上だけの「好景気」か データ改ざん疑惑が再燃
中国経済は厳格なゼロコロナ政策、不動産市場の低迷悪化などで下押し圧力が高まっているにもかかわらず、当局の発表では「安定したペースで」成長している。経済学者の間では、当局によるデータ改ざんへの疑念が再燃した。
中国国家統計局が18日に発表したデータによると、今年第1四半期の中国の国内総生産(GDP)は270兆178億元(1元=約19.7円)で、前年同期比4.8%増となった。当四半期の産業別の付加価値額は前年同期比6.5%増加した。
米シンクタンク、大西洋評議会のアジア安全保障イニシアチブ上級研究員で、『中国資本主義の神話』の著者であるデクスター・ロバーツ(Dexter Roberts)氏はこのほど、米政府系放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)に対し、「今回のGDPの数字があまりにも高いので、世界中の経済学者は一斉に『おかしい!この数字はつじつまが合わない』と疑問を呈している。彼らはこの統計の信頼性を本当に疑っているのだ」と述べた。
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