柿は栄養価が高い上、味も良い果物です。(shutterstock)

柿は優れた健康フルーツ「がん抑制や脳出血の予防にも」

国果(こっか)という言葉があります。

「その国を象徴的に代表するフルーツ」という意味で、公式あるいは非公式を問わず広く親しまれ、知られている果物のことです。

アメリカで買える「日本の

皆様の「日本の国果」は何か、ご存知ですか。日本の国果は「柿」だそうです。

ちなみに、アメリカの国果はブルーベリー、イギリスはラズベリー、フランスは桃、ドイツはリンゴ、中国はナツメ、ニュージーランドはキウイフルーツです。

そこで今回は柿のお話をいたしますが、決して時季外れの話題ではありません。秋以外でも食べられる「干し柿」なども含めて、おいしそうな柿の姿をご想像ください。

実際、生柿を干し柿にするとビタミンCはほとんどなくなってしまいますが、そのぶんβカロテンが増え、各種の有益なミネラルや栄養素は保存されます。

柿は、季節限定のスイカや梨とちがって、長期にわたっておいしく食べられる果物です。年間を通して活用したい健康食品でもありますので、今秋の柿を待たずに、ここでお伝えする次第です。

柿は、一般的にはアメリカ人に馴染みが薄い果物ですが、食べる機会が全くないわけではなく、アメリカの大型食料店で販売されていることがあります。それらは通常、日本産の柿です。ただし現在は、アメリカ国内でも南部と南西部の州、主にカリフォルニア州で柿が栽培されています。

 

がん抑制効果にも期待

柿にはβカロテンが豊富に含まれており、これが体内でビタミンAに変換されます。

柿1個(約160g)で1日のビタミンA必要量の55%が得られます。ビタミンCは1日の必要量の21%を摂取できます。

また柿には、活性酸素を分解する酵素スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)の補因子であるマンガンも多く含まれています。これらは健康な粘膜や皮膚を維持するとともに、肺がんや口腔がんのリスクを減らします。

2012年の研究によると、柿は正常な乳腺組織を傷つけずに乳がん細胞を抑制できる数少ない食品の1つだと言います。科学者たちはこれを、一部の果物や野菜、特に柿に存在するフラボノイドのフィセチンによる作用と考えています。

食物繊維の優れた供給源でもある柿は、消化系の調節機能を良好に保つのにも役立ちます。

その他、柿はさまざまな植物栄養素、フラボノイド、およびカテキンなどの抗酸化物質を含んでいます。これらの物質は抗菌および消炎作用を有しますので、脳出血の予防にも有効です。

柿はカロリーが比較的低い食品ですが、それでも果糖が含まれているため、食べ過ぎは避けてください。実の大きさにもよりますが、1日に1~2個が適当でしょう。

いかがでしょう。日本の「国果」である柿には、こんなに多くの健康効果が期待できるのです。あなたの明日の健康のために、ぜひ柿をお役立てください。

(文・Joseph Mercola/翻訳編集・鳥飼聡)

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