米国は警戒を強め、米軍にブラックバード後継機の開発を続けるよう促しました。(NASA)

最高速度マッハ6 極超音速無人偵察機 SR-72の驚きの性能(2)SR-72はなぜ必要か?

1989年にSR-71は退役しました。それにも関わらず、なぜ今日SR-72が必要なのでしょうか?

この質問に対する最も簡単な答えは地政学です。1990年、ベルリンの壁が崩壊し、ソビエト連邦が崩壊したため、米国の敵対者に対するブラックバードの任務の必要性はあいまいでした。しかし現在、ロシアと米国の関係は悪化し続けており、米国は攻撃的な中共にも直面する必要があります。国家安全保障の観点から、モスクワと北京に対するある程度の諜報活動が重要になってきたのです。

「ナショナルインタレスト」のウェブサイトでは、そのような情報はスパイ衛星によって、ある程度提供される可能性があると報告しました。しかしスパイ衛星にはまだ制限があります。衛星が軌道上の適切な場所に到達して写真を撮るには、通常24時間かかります。また宇宙の特定の地点に到達すると、衛星は特定の場所に約1分間しか留まらず、次に進む必要があります。また衛星の位置はオンラインで入手できることがよくありますが、紛争が発生した場合、これらの衛星はすぐに中国とロシアの対衛星ミサイルの標的になるでしょう。

こうした人工衛星の欠点、また昨年11月に極超音速ミサイルの発射に成功した中国の脅威をふまえて、米国は警戒を強め、米軍にブラックバード後継機の開発を続けるよう促しました。報告書は、この無人飛行機が今後、数年間、危険な環境に投入される事は間違いないが、無人であるため米兵の命の安全を保障できるだろうと述べています。

SR-72は、プロジェクトの開発において、極超音速とステルス性という2つの重要な技術を考慮に入れており、戦略的偵察、情報収集、標的監視、従来の攻撃などのさまざまなタスクを実行するだけでなく、短時間のうちに世界のあらゆる場所とターゲットを攻撃するという米軍の要求を満たしています。

ロッキード・マーティン社はSR-72の軍事的価値について非常に楽観的であり、「速度は新しいステルスである」と主張しています。SR-72はマッハ6の速度に達するため、飛来しても敵は早期警告も迎撃も困難になります。

(翻訳・郡山雨来)

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