ダイエットや減量中の人は体重計が気になりますが、つい手が伸びて、つまんでしまうのがテーブルの上の「おやつ」ですね。
何でも食べ過ぎはいけませんが、適量を口にするなら、どんな「おやつ」が体に良いのでしょう。台湾の漢方医師や栄養士など、専門家のアドバイスをもとに「お薦めできるおやつ8種」をご紹介します。
1、プレーンナッツ
ナッツ類には、不飽和脂肪酸、食物繊維、ビタミンE、ビタミンB6、フィトステロール、葉酸、フィチンなどの栄養素が豊富に含まれています。
その中には、いくつかの心臓によい栄養素があります。不飽和脂肪酸は体内の総コレステロール値を低下させます。ビタミンEには血液循環を促進し、血栓症のリスクを低下させるはたらきがあります。
また、ナッツに含まれる植物ステロール(フィトステロール)は、小腸でコレステロールと競合することによりコレステロール吸収を阻害します。そのため、毎日適量のナッツを食べることは、心臓血管疾患の予防に役立ちます。
さらに、ナッツ類を食べると、炎症を抑え、老化を遅らせ、がんの予防にも役立ちます。特に、ナッツ類のなかでもクルミは、他のナッツ類の10~15倍のビタミンEを含んでいます。
ナッツ類は、そのまま食べるのが最良の食べ方です。塩や砂糖、シロップ、ハチミツなどで味付けしてあるナッツ類は避けましょう。また、ナッツは油脂類の食物であるため、軽く一握りほどを食べれば十分であり、食べ過ぎてはいけません。
2、ドライフルーツ
手軽な「おやつ」にドライフルーツを食べることで食物繊維を補うことができます。
果物を加工して作ったドライフルーツは、果物の栄養と食物繊維を有しますが、糖分が濃縮されているため、食べる量には注意してください。
3、海苔(のり)
おつまみとしての海苔は、大人から子供まで人気のある「おやつ」です。
日本と同様に、台湾でもよく食べられている海苔は、味が良く、ミネラルやビタミン、食物繊維が豊富な健康食品です。
ただし、なかには味付けが濃いものも売られています。ゴマ油を塗布し、塩を加えると、どうしてもナトリウムの含有量とカロリーが高すぎてしまいます。なるべく「味付け海苔」ではない、プレーン海苔を選ぶようにしてください。
4、黒チョコレート
チョコレートには栄養分が豊富に含まれています。例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、ビタミンE、テオブロミン、カカオポリフェノール、フラバノール、トリプトファンなどです。
これらの成分は心臓血管を健全にし、血圧を下げるとともに、気持ちを高揚させる効果があります。
市販のチョコレートには、カカオ含有量の割合を示す70%、90%などの表示があります。70%と表示されているチョコレートは、カカオ成分が70%で、残り30%は砂糖や牛乳などの添加物です。
70%以上がダークチョコレート(黒チョコレート)で、さらにカカオの割合が高くなるほど味は苦くなりますが、カカオの健康効果はそれだけ高くなります。
5、コンニャク(蒟蒻)
コンニャクは、低カロリーのわりに満腹感が得られ、繊維質が多いので便通を良くする効果があります。
またコンニャクは、その食感からほのかな甘みが感じられるので、「甘いものを食べたい」という欲求を満たしてくれます。
ただし、コンニャクを食べることでカロリーオーバーの心配はありませんが、糖尿病患者など、血糖値に問題がある人の「代替物」としては薦められません。食事療法中の人は、医師や栄養士の指導に従ってください。
6、おつまみ小魚
小魚の干物は、タンパク質やカルシウムを豊富に含みますので、筋肉や骨を丈夫にします。
カルシウムと良質な油脂を同時に補給できる「ナッツ煮干し」というのがあります。お薦めできる「おやつ」ですが、味の濃いものや、添加物が多いものは避けてください。
7、グルテンフリーのケーキ
体にあまり負担をかけないグルテンフリー(小麦粉不使用)のケーキは、普通のケーキより少し高めの値段ですが、ひろく販売されています。
今では多くのレシピがネット上で見られますので、料理好きの人は、ご自宅で作ってみてはいかがでしょうか。
8、干し肉(肉干)
台湾でよく食べられる干し肉(肉干)は、牛肉や豚肉の赤身の部位を使い、味をつけてから焼き、乾燥させた製品です。米国ならば、ビーフジャーキーに相当します。
日本では、これに類似する肉製品はあまり思い当たりませんが、同じ発想による食品としては「イカのするめ」や「鮭とば」があります。いずれも、乾燥させることで保存性の良さと味の深みを出しています。
さて、こうした干し肉を「おやつ」に適量食べると、良質のタンパク質が補給できます。ただし、塩分過剰にならないように、食べる量には注意してください。
最後に、もう一度申します。
これらの体に良い「おやつ」は、あくまでも食事以外のものです。適量を食べること。水分補給を忘れないようにすること。この二つを、ぜひお守りください。
(文・蘇冠米/翻訳編集・鳥飼聡)
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