まだまだ寒い季節。ふと「温かいココアが飲みたいなあ」と思いませんか。
その思いのなかには、あなたの生まれつきの「体を守る知恵」が働いているかもしれません。
ウイルス撃退するNK細胞を活性化
カカオの実を焙煎し粉状に挽いたカカオマスが、飲み物のココアになったり、チョコレートの原料になったりします。
日本のある研究によると、季節性インフルエンザが流行する時期には、「1日1杯のホットココアが、インフルエンザを予防し、健康維持に役立つ可能性がある」と言います。
マウス実験によって、カカオ抽出物にインフルエンザ予防効果がある可能性が確認された後、人を対象とする実験が行われました。
研究者は、実験参加者123人を2つのグループに分け、両群ともにA型インフルエンザ(H 1 N 1)ウイルスのワクチン接種を受けてもらいました。ワクチン接種前後の3週間、片方のグループだけ毎朝、温かいココアを1杯飲みます。
実験に使われたココアは、日本で販売されているものです。この飲料には、1杯あたり360ミリグラムのカカオポリフェノールが含まれています。もう一方のグループは、ココア成分を含むものを一切摂取しませんでした。
2週間後、ワクチン接種によりA型インフルエンザウイルスに対して産生された抗体の濃度は、両群の間で大きな差は見られませんでした。ところが、カカオを摂取した一群は、ナチュラルキラー(NK)細胞の活性が明らかに高かったのです。
がん予防の可能性にも期待
NK細胞は、インフルエンザウイルスに感染した細胞を認識してこれを排除し、ウイルスの伝播を阻止します。つまりNK細胞の活性度は、人間の自然免疫力の指標となるのです。
ワクチン接種によって体内で生成される抗体の濃度は、ワクチンの有効性を示す指標にすぎず、感染に対抗できる免疫力の真の向上とは必ずしも同等ではありません。
一方、ココア成分の摂取によってNK細胞が活性化したことは、ココアの飲用により自然免疫が誘発され、インフルエンザウイルス感染を抑制できる可能性を示唆しています。
また他の研究によると、ココアの常飲は、がん細胞に対抗するNK細胞についても活性を高められることがわかっています。
日本の一部の研究者は、ココア成分中のカカオポリフェノール、特にそのなかのプロシアニジンが、ヒトの結腸から直腸までの範囲におけるがん予防、およびB型肝炎ウイルス感染の予防と改善に有効であるとしています。
他にもあります「ホットココアの効能」
ココアの効能は、インフルエンザ予防だけではありません。
実際、ココアには40以上の健康上のメリットがあると言われています。その一部を以下に挙げると、「血圧を下げる」「ストレス解消」「心臓の健康を保つ」「腹部の脂肪を燃焼させる」「糖尿病リスクの低下」などがあります。
熱いココアを1日1杯、今日から味わってみませんか。ただし、お店でココアを購入するときは、以下の3点にご注意ください。
第一に、少なくとも純度70%以上のココアを購入することです。ココアの色が濃いほど、添加されている砂糖や油脂が少なくなります。
第二に、未加工品のココアであることです。加工されたココアほど、ポリフェノールやフラバノールの破壊が激しいのです。
第三に、原料が有機栽培のカカオであることです。非有機のカカオは、除草剤グリホサートやその他の残留農薬を含む可能性があります。
(文・GreenMedInfo/翻訳編集・鳥飼聡)
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