適切な食品を食べることで、加齢とともに認知症(アルツハイマー病)を発症するリスクを減らし、毎日脳を集中させて鋭く感じることができます(ShutterStock)

ハーバード栄養専門家が発表 記憶力と集中力を損なう5種類の食品

何歳になっても、健康的な食生活を始めるのに遅すぎるということはありません。年齢を重ねても、正しい食事をすることで、認知症(アルツハイマー病)のリスクを減らせます。

脳は体内の血液と酸素の20%を消費しているため、食事と脳の健康の関連性を理解し、正しい食事で脳の認知機能をよりよく維持できるようにすることが重要です。

人間の体内には何兆個もの微生物細胞が存在し、その数は人間の細胞の10倍とも言われています。豊かな腸内フローラ(腸内細菌)は、栄養素の処理を助け、免疫システムを強化し、健康全般に有益な作業を行い、うつや不安などの精神状態にも影響を与えます。

砂糖や肉類、加工食品を多く含む食事によって、微生物の多様性が損なわれてしまいます。植物性の食事に切り替えることが、より健康的な細菌叢を実現するために不可欠であることが研究によって示されています。

栄養精神科医でハーバード大学医学部教授、『This Is Your Brain on Food』の著者であるウマ・ナイドゥ博士は、11月28日(日)、CNBCのウェブサイトで、脳の記憶力や注意力を弱めてしまう5つの食べ物について記事を発表しました。

1.糖類

糖分の多い食事は、脳内でブドウ糖が過剰になる可能性があり、記憶障害などと関連します。

この記事の中で、ナイドゥー博士は、精製された糖分を含む焼き菓子やソーダなどの不健康な加工食品を摂取すると、脳にブドウ糖が過剰になると書いています。

人によって必要な量は異なりますが、米国心臓協会では、女性は1日25g以下、男性は1日36g以下の糖類の摂取を推奨しています。

砂糖の多いシリアルは繊維をほとんど含まず、砂糖とカロリーが高くなっています(Shutterstock)

2.揚げ物

ナイドゥ博士は、揚げ物の摂取を減らすことは、脳の健康のために価値があると述べています。1万8080人を対象とした研究で、揚げ物を多く含む食事は、学習・記憶スコアの低下と関連していることがわかりました。その原因は、揚げ物が炎症を引き起こし、脳に血液を供給する血管にダメージを与えるからだと思われます。

別の研究では、715人を対象に、うつ病のレベルや心理的回復力を測定し、揚げ物の摂取量も記録しました。その結果、揚げ物の摂取量が多い人ほど、生涯にわたってうつ病を患う可能性が高いことがわかりました。

 

(Shutterstock)

3.高糖質の炭水化物

パンやパスタなど、精製された小麦粉から作られた高炭水化物食品で、甘みを感じないものでも、体内で砂糖と同じように処理されると、ナイドゥ博士は記事の中で書いています。

食事から炭水化物を完全に排除することは勧めないが、食べる炭水化物の質は重要であると述べました。

2018年、研究者たちは、もしあるとすれば、どの炭水化物がうつ病と関連しているのかを評価しました。彼らは、1万5546人の回答者に「炭水化物の質指数」と呼ばれるアンケートを実施し、「より質の高い」炭水化物とは、全粒粉、高繊維質の食品、低GI食品だと定義しました。

炭水化物品質指数のスコアが最も高い人は、高GI炭水化物を食べている人よりもうつ病にかかる確率が30%低いことを発見しました。

高GI炭水化物にはジャガイモ、白パン、白米が含まれます。蜂蜜、オレンジジュース、全粒粉パンは中GI食品、低GI食品には緑色野菜、ほとんどの果物、生のニンジン、インゲン豆、ひよこ豆、レンズ豆が含まれます。

 

(Shutterstock)

4.アルコール

フランス健康医学研究所の研究教授兼所長であるArchana Singh-Manoux氏らは、アルコールと認知症発症の関係を明らかにするため、9087人を23年間追跡調査しました。

2018年の『British Medical Journal』では、アルコールを完全に控えた人や週に14杯以上飲む人は、適度に飲む人に比べて認知症の発症リスクが高いことが報告されました。

1週間に14杯以上、または1日に4杯以上飲む男性、1週間に7杯以上、または1日に3杯以上飲む女性はヘビードリンカーと見なされます。

 

アルコールを完全に控えるか、週に14杯以上飲む人は、適度に飲む人に比べて認知症を発症するリスクが高い(Shutterstock)

5.硝酸塩を多く含む食品

硝酸塩は保存料として、またベーコン、ペパロニ、ソーセージなどの生肉などの調理済み食品の色を良くするためによく使われます。しかし、硝酸塩はうつ病と関連している可能性があるのです。

最近の研究では、硝酸塩が腸内フローラを変化させ、双極性障害につながる可能性があるとさえ言われています。

ナイドゥ博士は、ペパロニやソーセージをあきらめられない人は、そば粉を食べるのもいいと提案しています。そば粉には重要な抗酸化物質が含まれており、これらの肉類が健康に及ぼす悪影響を打ち消してくれます。

ソーセージを食べすぎると健康に悪いです(Shutterstock)

(翻訳・呉思楠)

関連記事
週末は笑って、一息つきましょう。
「冬病夏治」の考え方を元に、夏に生姜を取り入れて冷え症や疲労感を改善する方法を紹介。生姜紅茶の作り方や効果的な飲み方、注意点についても解説します。
「変わりたい」と思う人が成功する鍵は意志より環境にある?変化を促す7つの環境設定の工夫を具体例と共に紹介します。
きのこコーヒーで免疫力向上、ストレス軽減、集中力アップを目指しませんか?薬用きのこが持つ驚きの健康効果や自宅での簡単な作り方をご紹介します。
病気は生活や心の状態に異常があるという知らせです。早く異常を知り、適切な対策を講じることが大事ですね。自然体の中には「自己免疫」を高めることが入っています。瞑想で強烈なしがらみから、外れましょう。一歩引いて世界を見渡せば、違う世界が広びろと現存すると言います。