第6話:身近な人に対して孝悌であること【子どもが人格者に育つ教え「三字経」】
首孝弟、次見聞、知某數、識某文。
一而十、十而百、百而千、千而萬。
首孝弟 孝弟(こうてい)を首(はじめ)とし
次見聞 次(つぎ)に見聞(けんぶん)
知某數 某(それぞれ)の数(すう)を知(し)り
識某文 某(それぞれ)の文(ぶん)を識(し)る
一而十 一(いち)よりして十(じゅう)
十而百 十(じゅう)よりして百(ひゃく)
百而千 百(ひゃく)よりして千(せん)
千而萬 千(せん)よりして万(まん)
関連記事
「五行」とは、水、火、木、金、土のことを指します。古代中国では、これらが宇宙の万物を構成する基本であると考えられており、互いが相互に働きあう、相生相剋(そうせいそうこく)の関係であるとされていました。また、これは自然の摂理で決まっているとされていたのです。
一年の間に移り行く春、夏、秋、冬を合わせて四季と呼びます。中国最古の医学書『黄帝内経』の一節「春生、夏長、秋収、冬蔵」にあるように、四つの季節それぞれに特徴があり、常に変化しています。
三才とは、天、地、人のことを指しており、この宇宙を構成する基本的な要素です。三光とは、太陽、月、星を指し、天上にて光を発する三つの物体のことで、地球上の主な光源でもあります。
『三字経』ではこれまで、教育の本質に焦点を当ててきましたが、前話からは、なぜ人は教育を受けなければならないのか、学ぶことの重要性など、直接、子供たちへの指針となる具体的な内容へと移りました。
前話で紹介した「人不學、不