飼育されている鶏、参考写真 (Photo by Jamie McDonald/Getty Images)

農林水産省、米加州の鶏肉など一時輸入停止 鳥インフルエンザ発生で

農林水産省は8日、米家畜衛生当局から、カリフォルニア州の家きん飼養施設で低病原性鳥インフルエンザH7亜型)の発生が確認されたとの情報提供を受けて、同州からの生きた家きん、家きん肉等の一時輸入停止措置を講じた。「家きん」とは飼養された鶏、アヒル、七面鳥などをいう。

同省は、輸入停止は日本国内で飼育される生きた家きんへのウイルス感染を防止するためとしている。米国の家畜衛生当局である農務省動植物検疫局(USDA-APHIS)は10日時点でまだこの情報を公表していない。日本が米国から輸入する生きた家きんのひなは、2020年で約4万羽、家きん肉は約1.3万トン、家きん卵は約8900トンとなっている。

農研機構によると、今回確認された低病原性鳥インフルエンザは、家畜伝染病予防法で定められた鶏、アヒル、ウズラなどに感染する疾病。自然宿主はカモなどの野生の鳥類とされる。感染した鳥類にはくしゃみや咳が引き起こされるが、死亡率は5%以下とされている。

しかし、海外では、低病原性から高病原性にウイルスの変異が確認されているとして、殺処分および移動・搬出制限によりまん延防止、早期撲滅を図ることが勧められている。

日本養鶏協会によると、高病原性の鳥インフルエンザは昨年11月の香川県における発生以降、今年3月までに18県52事例の飼養家きんにおける高病原性鳥インフルエンザが確認され、計987万羽を殺処分する過去最大の発生となった。海外の飼養家きんでも欧州とアジアにおいて発生が確認されている。

同協会は、飛来する野生の渡り鳥の営巣地があるロシア・中国でも、鳥インフルエンザが広い範囲で発生しているとして、日本は強い警戒が必要だと警鐘を鳴らしている。

(佐渡道世)

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