鞠を投げあい気持ちをお互いの確かめ合うミャオ族の伝統的な結婚相手探し(パブリックドメイン)

中国少数民族の結婚式慣習コレクション(中)

ミャオ族

 

まだ結婚していないミャオ族の若い男女は、祭日や市場が催される日に、互いに好意を持っている相手と遊んだり、気持ちを伝えあったりします。この伝統的な習慣は貴州省南東部では「游方」と呼ばれています。游方の場所は各村に設置された固定の「游方坡(游方を行う丘)」以外、村から離れた川岸や、橋のたもと、または心地良い景色がある渓谷などでも行われます。しかし、游方は決められた場所(誰もが知っている公開な場所)で行わなければなりません。密かに異性とあったりしていると、一旦発見されると、それは不適切な行為として見なされ、社会や世論によって非難されます。

結婚する時、花嫁とその家族や親戚は花婿の家に来て、披露宴が三日三晩開催されます。この三日間では、花嫁は介添人と一緒に寝ることになり、花婿と同居することはできません。三日後、花嫁は実家に帰り、実家で暮らします。その期間は2年間、3年間、5年間と決まっておらず、農業の繫忙期や大きなイベント、あるいは夫の家族が葬式をする時のみ、花嫁は一時的に夫の家に戻ることができます。妊娠や出産した後、やっと夫の家に戻って定住します。

略奪結婚

 

この習慣は湖南省西部のミャオ族で流行っています。結婚する時、6人の若い少女と40代の中年女性がチームを組んで、花嫁を送り出します。花婿側、嫁を迎え入れるチームは6人の青年と2人の少女で構成されています。朝3時頃から6時頃までに、両チームは出発します。両チームが出会った後、花婿側のチームは持って来たもち米のご飯を花嫁チームの中年女性に手渡します。そして、花嫁チームの中年女性は花嫁の小物が入った竹かごを花婿側の少女に手渡して、ご飯を分けて皆で一緒に食べます。その後、花婿側の少女は「おばさん、うちの花嫁は誰ですか」と声をかけ、花嫁側の少女たちは花嫁を守るようにして囲います。そして、花婿側の若い男女たちは花嫁を「捕まえ」にいきます。もちろん、最終的には花嫁は「捕まえられる」ので、花嫁を送り出す任務は完了です。花嫁は介添人と別れ、花婿と一緒に帰ります。

 

モンゴル族

 

モンゴル族の結婚は説親(男側が仲人に依頼して、女側に正式的な結婚申し込みを提出すること)、相親(お見合いすること)、訂婚(婚約すること)、聘礼(花婿は花嫁の親族に納結品など婚資を贈ること)、許婚筵(花嫁の家に婚約宴会を催すこと)、迎親(花嫁を迎えに行くこと)、送嫁(花嫁を送別すること)、花婿の母に対してお辞儀をすること、結婚式を催すことなど、より複雑な過程を経たなければなりません。

放牧地域で一般的な結婚式の流れは:まず、新郎新婦は男性側の家に到着したら、馬車から降りずに、先にゲルを三周回ります。それから、新郎新婦は一緒に焚火の上を跨ぎ、火神様の御加護により、災厄を祓います。それは新郎新婦の愛情の純粋さと新生活の繫栄を象徴しています。

新郎新婦はゲルに入った後、まず、仏像とかまど神の像に拝みます。次に両親にお辞儀をして、親戚や友人と挨拶します。最後に、梳頭額吉(事前にお願いしておいた声望がある女性)が花嫁の髪型を既婚女性の髪形に結い直し、きれいな衣装に着替えた後、結婚式の披露宴が開催されます。披露宴では通常、丸ごと羊の料理と、種類たくさんのミルク料理、お菓子が出されます。新郎は銀製の壺を持ち、花嫁は銀製のお椀を持ち、親戚や友達に一人ずつハダを捧げ、お酒を差し上げます。若い男女たちはお酒を飲んだり、馬頭琴を弾いて歌を歌ったりして、盛り上がります。披露宴は通常2、3日続きます。

 

イ族(彝族)

 

イ族の若い男女の結婚は説媒(説親のこと)、訂婚、迎親、回門(礼品を持ち、花嫁の実家へ里帰りすること)という四つの儀礼があります。15歳になるまで、イ族の少女は赤と白のスカートを履き、髪は三つ編みにして一本にまとめます。一般的に、15歳になると、「陝拉爾」と呼ばれる儀式が行われます。即ち、成人式です。スカートを成人用のものに変え、幼いころからピアスホールに付けていた紐を取り、髪型も変更します。これから、大人と見なされ、男女交際が認められます。成人式では、女の子は赤、青、白、黒と色鮮やかで、地面に届くほどのロングスカートを着用します。髪型は1本の三つ編みから、2本のお下げに変更し、そして、美しい刺繡の花で飾ったスカーフを頭に巻きます。そして、幼い頃からピアスホールに付けた紐を外して、銀製の飾りを付けます。

 

イ族の若い男女たちは主に火把節(火祭り)、結婚式、葬式、伝統的な集会の機会を利用して、結婚相手を探します。気に入る相手が見つかったら、積極的に相手に近づき、口弦(楽器の一種)を奏で、音楽をもって、相手を喜ばせます。そして、相手も自分に好意を持ったら、同じく口弦で返答します。このように、何回か音楽を通い合わせたら、2人は時間を約束して、自分の親と話します。それぞれの両親が2人の結婚に同意したら、縁起の良い日を選んで、男性側の家の声望のある老人がお酒をもって、女性側の家に行き、結婚の話をします。

 

(翻訳編集 千里)

 

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