米原子力規制委、中国国有企業向け放射性物質輸出を先月差し止め
[ワシントン 5日 ロイター] – 米原子力規制委員会(NRC)は先月、中国最大手の国有原子力企業である中国広核集団(CGN)への放射性物質および原子炉で使用される水素同位体の輸出を差し止めた。中国の核兵器増強に対する米政府の懸念が反映された。
NRCは9月27日付の通達で、ホワイトハウスがこの差し止め措置について「米国の国家安全保障上の利益を促進し、1954年の原子力法に沿って米国の共同防衛と安全保障を強化するために必要」と判断したと説明した。
今回の輸出差し止めはCGNや中国広核電力、その子会社や関連企業向けの放射性物質と重水素が対象。重水素は水素の非放射性同位体で、重水を使う核分裂炉で用いられる。
今回の差し止めは、トランプ前政権が2018年に設定した、中国に輸出される民生用原子力技術が軍事目的などで利用されるのを防ぐための管理措置をさらに強化するものだ。
CGNは2019年8月、中国で軍事利用に転用するために米国の先端技術や材料を入手しようとしたとされ、米国のブラックリストに登録された。
米戦略軍トップであるチャールズ・リチャード海軍大将は今年、議会に対し、中国が開発中の新世代の原子力発電所は核兵器の材料となるプルトニウムを大量に生産する可能性があると警告した。
中国は、原子力プログラムは平和目的だとしている。
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