10月4日、欧州の大手石油商社であるビトル、ガンバ―、トラフィギュラの幹部はエネルギー関連イベントで、1年後の原油価格の見通しを示し、ビトルが弱気派、ガンバ―とトラフィギュラが強気派に見方が分かれた。2012年1月、ローマのガソリンスタンドで撮影(2021年 ロイター/Max Rossi)

欧州の大手石油商社、1年後の原油価格で見方分かれる

[ロンドン 4日 ロイター] – 欧州の大手石油商社であるビトル、ガンバ―、トラフィギュラの幹部はエネルギー関連イベントで、1年後の原油価格の見通しを示し、ビトルが弱気派、ガンバ―とトラフィギュラが強気派に見方が分かれた。

北海ブレント原油先物は4日、1バレル=81ドルを突破し、3年ぶりの高値を記録。年初からは50%強値を上げている。

ビトルのラッセル・ハーディー最高経営責任者(CEO)は「エナジー・インテリジェンス・フォーラム」で、原油価格は1年後には75ドル前後に軟化していると予想。インフレ懸念を理由に挙げた。

ガンバーのトルビョルン・トルンクビストCEOは「今後1年の間にイランからの供給が見込まれるため、石油は85ドル前後になるだろう」との見方を示した。

トラフィギュラの見通しは90ドルと、3社の中で最も高かった。

3社は、石油・天然ガスの探鉱、開発、生産など上流事業への投資が向こう10年間は利潤を生むと予想。その後は石油需要が減少に転じるとした。

ビトルはプラスティックへの需要が2030年代に入ってからも伸び続け、ジェット燃料の需要は2040年代に入っても伸びると予想。

天然ガス価格は、とりわけ欧州で年初から急騰している。低水準の在庫と供給量、ならびにアジアの堅調な需要が背景にある。

ガンバーのトルンクビストCEOによると、風力や水力発電のような再生可能なエネルギー源は、欧州でのエネルギー不足を補えていないという。

ビトルのハーディーCEOは「ガス相場は国内的に、そして一部の業界にとって手が届かない水準に達した」と分析。ただ、液化天然ガス(LNG)価格は現在の1MMBTU(100万英熱量単位)当たり35ドルから来年は15ドル前後に下落すると予想した。

関連記事
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。