2018年4月13日、台湾・宜蘭県の蘇澳港付近で行われた台湾軍の演習で、フリゲート艦がチャフとフレアを発射している(Sam Yeh/AFP/Getty Images)

「戦わずして勝つ」ための中国軍の戦法とその実行部隊=仏報告書

フランス国防省傘下のシンクタンク、軍事学校戦略研究所(IRSEM)は、9月20日に発表した報告書「中国(共産党)の影響工作」の中で、中国人民解放軍の「三つの戦法」である世論戦、心理戦、法律戦(以下、三戦)について詳述した。三戦の司令部である福州の「311基地」が対台湾作戦に集中していると指摘した。

中国当局は2003年12月、軍の指導機関である中央軍事委員会が発行した「中国人民解放軍政治工作条例」に「三戦」戦略を盛り込み、2010年の同条例の更新では、すべての将校と兵士に「三戦」の習得を求めた。

IRSEMの報告書によると、これは中国共産党が戦わずして自由世界に勝つための重要な戦略である。世論戦は思想統制を強めること、心理戦は敵の士気を低下させること、法律戦は中国共産党の正当性・合法性を主張し、法制度を利用することで優位に立つことである。

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