新疆ウイグル自治区にある再教育キャンプ。2019年6月2日撮影(Greg Baker/AFP via Getty Images)

中国少数民族の人権問題を調べる米研究者、カザフに5年入国禁止

中国少数民族に対する人権問題を調査する、ロシア系米国人学者は自身のFacebookで、カザフスタンへの入国を5年間禁止されていると書き込んだ。中国共産党の少数民族への抑圧政策は、中央アジア諸国の行政措置にも延伸している可能性がある。

ウイグル、カザフ、キルギス系など新疆ウイグル自治区少数民族の人権侵害をテーマにした研究活動を続けるエフゲニー・ブーニン(Yevgeny Bunin)氏は、キルギスタンにおける1か月間の滞在を経て、隣国のカザフスタンへの渡航を試みた。

首都アルマトイの空港に到着後、入国管理局の職員から「理由は不明だが、あなたは5年間の入国禁止処分を受けている」と告げられ、外務省に相談することを勧められたという。ブーニン氏は、「おめでとう、カザフスタン。恐ろしい権威主義の道を突き進んでいる」と皮肉を書いた。 

カザフスタン外務省はコメントを出していない。

ブーニン氏は、2019年と2020年にも、ウズベキスタンへの入国を拒否されたことがある。

ロシアと米国の二重国籍を持つブーニン氏は新疆ウイグル自治区を拠点とし、中国当局による少数民族に対する抑圧の数千の事例を記録したウェブサイト「新疆被害者データベース」(shahit.biz)を運営している。計数工学を専攻しているブーニン氏は長年新疆に住んでおり、「(少数民族への弾圧が)私自身と多くの知人に影響を与えたため、すべてを放棄して被害状況のデータベース化に取り組んでいる」という。

新疆ウイグル自治区の少数民族に対して人道問題に抵触する監視や収容を行っている中国共産党は、中央アジアの主要な貿易相手である。中央アジア諸国の当局や国営メディアは、中国からの報復を恐れ、人権問題への言及を避けている。

被害状況を公開するブーニン氏によれば、新疆における拘束はウイグル人のみならず、漢民族を含む他のすべての民族が影響を受けているという。また、研究者や人権団体、政府などはデータベースを通じて、新疆の人権状況を調査・監視でき、中国当局の責任を追及できる資料になると説明している。

(翻訳編集・佐渡道世)

関連記事
16日夜、中国山東省済寧市にある大型ショッピングモールで少女(14歳)が転落し、死亡する事故が起きた。 少女は […]
中国の新任国家安全部部長、陳一新が指揮する下で、法輪功と神韻に対する激しい攻撃が行われています。内部関係者はこれを中共の計画の一環として描写し、多国籍スパイ活動と密接な関連があると述べています。
社会報復事件の再発防止?学生に監視アプリを強要。「言論やメンタル状況、衣・食・住・移動、両親の収入状況、家庭状況なども含め、全方位に監視し、居場所を特定できる」という。
「孔子学院?新華社?こんなものはもう退屈だろう。中国が本当に世界的なソフトパワー拡大には、モバイルゲームに焦点を当てるべきだ」中国国内メディアは最近、100億米ドル規模に達している中国ゲームの影響力の高まりに自信を見せている。当局は、ゲームコンテンツを通じて中国文化の浸透工作や、親共産主義人物の人気獲得を促進したりしている。
グッドアイディア賞?中継中のマラソン大会に出場して権利擁護する「包公」