米疾病対策センター(CDC)のロゴ(Kevin C. Cox/Getty Images)

デルタ株拡大でワクチンの有効性が低下=米CDC

米疾病対策センター(CDC)が公開した最新研究報告書は、感染力の強いデルタ変異株の影響で、中共ウイルス(新型コロナウイルス)のワクチンを接種したとしても、その効果が低下しているとの見方を示した。

最前線で働く医療従事者を対象としたCDCの研究によれば、米国内で中共ウイルスのデルタ変異株が感染拡大の主因となった現在、ワクチンの有効率は30%近く低下したと米メディアのポリティコ(Politico)が報じた。その一方で研究は、ワクチンの医療従事者への感染予防有効率は80%だと示した。

CDCは研究報告において、ワクチンの有効性は「時間の経過とともに弱まる可能性がある。今回の研究は観察期間が限られていたため、有効率は正確でない可能性がある」とした。

また、CDCは別の研究で、ロサンゼルス郡の16歳以上の住民4万3000人を対象に調査を行った。その結果、5~7月までに確認された感染者の25%が、ワクチンの接種完了後に感染する「ブレークスルー感染」だったことがわかった。さらに、接種完了者の入院率は、未接種者より明らかに低いこともわかった。

同センターは今回の発表より約1週間前にも、ワクチンの有効性、デルタ株、ブレークスルー感染に関して、それぞれの研究報告書を発表した。このなかには、ニューヨーク州の成人の間でワクチンの有効率は5月上旬の91.7%から7月末の79.8%に低下したとの分析結果が出ている。

CDCの最新研究はいずれも、ワクチン接種を受けた米国民のなかで、「ブレークスルー感染」は依然として稀であるとした。しかし、時間とともにワクチンの有効性が低下することを裏付ける証拠は増えているという。そのため、CDCは米国民に対して、2回目の接種を完了して8カ月後に追加ワクチンの接種を推奨した。

バイデン政権の一部の高官らは、CDCが政府に十分な情報を提供していないとして、同提案に反対している。

(翻訳編集・李凌)

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