中国の核搭載可能な大陸間弾道ミサイル「DF-41」。2019年10月1日、北京の天安門広場の軍事パレードで撮影(Greg Baker/AFP via Getty Images)

中国軍用原子力工事の支出、前年比4倍増 核戦力強化の懸念

中国の軍用原子力プロジェクトの主要請負業者である中国核工業建設股份有限公司(以下、中国核建)がこのほど公表した経営中間報告書によると、今年の軍関連工事の新規受注額は7月までに、前年比約4倍増となった。国内のナショナリズム、反米の動きが高まるなか、中国共産党政権は核戦力を強化しているとみられる。米国営放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が報じた。

中国メディアによると、中国核建が18日に公表した経営レポートでは、新規受注総額は728億3200万元(約1兆2400億円)で、前年比20.6%増、軍事工事の新規受注総額は前年比391.4%増の171億5600万元(約2917億円)に達した。原子力発電事業の新規受注額は前年比5.2%増の169億7000万元(約2885億円)、工業・民間工事の新規受注額は前年比5.5%減の386億7700万元(約6575億円)、7月時点で、同社は今年481億700万元(約8178億円)の累積営業利益を達成した。

香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストはアナリストの見方として、同社の発表や、ミサイルサイロの建設ラッシュなどから、中国政府が米国に追いつくために必死であると報じた。

中国は高度な国防および軍事技術の開発を加速し、原子力分野への投資を拡大させているという見方が広がっている。

米国務省は8月6日の声明文で、ブリンケン米国務長官がアジア諸国および同盟国外相との会談で、中国のミサイルサイロの建設拡大について深刻な懸念を表明したとし、「中国が数十年にわたり主張してきた最小限の核抑止戦略から著しく逸脱しているのは明らかだ」とけん制した。

米国防総省と国務省は最近相次ぎ、中国の核強化について懸念を表明した。米シンクタンクの報告書は衛星画像にもとづいて、中国が何百もの新しい核ミサイルサイロを建設していると指摘した。

中国核建は、軍事工事および原子力発電、工業、民間土木建設などを主な事業とする大手国営上場企業で、中国の原子力建設の主力である。

(翻訳編集・叶子)

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