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第1話:人間の本質とは【子どもが人格者に育つ教え「三字経」】

『三字経』は中国で最も有名な儒教の古典の一つであり、宋の時代の偉大な儒教家である王応麟氏が最初に書いたもので、当時は私塾(現在の小学校に相当)の教科書として用いられていました。『三字経』には、儒教の根本から文学、歴史、哲学、天文地理などの内容が凝縮されており、まさに中国伝統文化の縮図のようなものです。そのため、古代の人々は「経」書として崇めていました。「経」とは不変の道理を意味しており、古代の人々はそれを誰もが見習うべき典範と考えていたのです。

ある大陸に住む文学部の大学生は興味津々で見入ってしまい、その奥深さに感嘆し、古代の小学生の思想レベルの高さや学識の広さに驚いたと言います。また、彼は「知るのが遅かった、青春を無駄にした」と深く後悔し、漢学を学ぶことを決意したそうです。

中国には古典作品が数多くありますが、その中でも『三字経』は最もシンプルでわかりやすい読物です。そのため、一般的に広く知れ渡っている『論語』(朱子学における「四書」の一つに数えられる、孔子とその高弟の言行を記録した儒教の経書)になぞらえた学者もいます。

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「五行」とは、水、火、木、金、土のことを指します。古代中国では、これらが宇宙の万物を構成する基本であると考えられており、互いが相互に働きあう、相生相剋(そうせいそうこく)の関係であるとされていました。また、これは自然の摂理で決まっているとされていたのです。
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三才とは、天、地、人のことを指しており、この宇宙を構成する基本的な要素です。三光とは、太陽、月、星を指し、天上にて光を発する三つの物体のことで、地球上の主な光源でもあります。
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『三字経』ではこれまで、教育の本質に焦点を当ててきましたが、前話からは、なぜ人は教育を受けなければならないのか、学ぶことの重要性など、直接、子供たちへの指針となる具体的な内容へと移りました。 前話で紹介した「人不學、不