中国の軍用水中ドローン、「リアルタイムで海中情報共有」に疑問の声
今月5〜7日までの日程で北京で開催された第7回中国軍事智能装備博覧会で、中国海軍の軍用水中ドローン(無人機)、Robo-Shark(ロボ・シャーク)は公開された。米専門家は、同水中ドローンのリアルタイム情報伝達などにおいて、その技術的特質が分かっておらず、米海軍の水中ドローンに匹敵できるかは不明だと指摘した。
米メディア「ナショナル・インタレスト」10日付によると、中国海軍はロボ・シャークについて、水中で低音響効果で高速航行でき、偵察や対潜戦に使用できると強調した。中国官製メディア「環球時報」は、「従来のプロペラに変わって、ロボ・シャークの動力源はバイオテック尾翼で、最高速度は6ノットに達することができる」とした。
ロボ・シャークを開発・製造したのは、中国の海洋智能装備会社、博雅工道(北京)機器人科技有限公司(ROBOSEA)である。
「ナショナル・インタレスト」は、環球時報はロボ・シャークに関して多くの情報を公開していないと指摘した。水中ドローンの性能には、情報伝達能力、海中での探知範囲と解像度が大事だという。「水中ドローンが長時間航行でき、高精度の探知ができるとしても、ホスト潜水艦に帰還する前までに、母船がその取得した情報を利用できないのであれば、その水中ドローンの価値に疑問を持たざるを得ない」
水中ドローンが捉えた海中のデータを有人潜水艦などとリアルタイムで共有することは、敵の艦隊などを追跡したり、攻撃したりする際に不可欠だという。
同記事によると、米海軍は現在、機雷を探す小型ドローンや潜水艦のように魚雷を搭載する大型ドローンを含む、様々な新型水中ドローンで構成される新艦隊を配備しようとしている。
米海軍は、同時に海中データの共有技術を急速に進めているという。小型水中ドローンが敵の潜水艦を見つけた場合、有人母船はその位置をすぐ把握し、攻撃態勢に入ることができる。しかし、データが共有できない場合、ドローンが母船に戻ってから情報をダウンロードするため、敵の艦隊はすでに場所を変える可能性があり、攻撃のタイミングを逃すことになる。
また、米側が開発している水中ドローン、バラクーダ「Barracuda」は海底の無線データネットワークを通じて、「自律型アルゴリズム」を用いて魚雷の発見、追跡、破壊を行う。この間、人が操作する必要はない。
記事は、「中国の新聞で入手できる情報を基に、ロボ・シャークは現在、米国の水中ドローンに肩を並べる可能性は低い」との見方を示した。
(翻訳編集・張哲)