大紀元エポックタイムズ・ジャパン

【歌の手帳】行くは誰が背

防人(さきもり)に行くは誰(た)が背(せ)と問ふ人を見るがともしさ物思(ものもひ)もせず(万葉集

歌意「今度、防人に出発するあの人は誰のご主人かしら。そんな声を上げる人を、私の近くで見た。ああ、何とうらやましいことだろう。何の憂いもなく、それを言えるなんて」。

『万葉集』の防人歌です。九州の防備のため、主に東国から徴集された兵士、あるいはそれを見送る家族がうたった哀切きわまる歌の数々は、令和の私たちが見ても胸に迫ってきます。

冒頭の歌の特色は「防人に行く兵士の妻」が主人公であることです。二度と帰らない恐れもある長旅と任務に、今まさに出発しようとするのは愛する夫。

それを「どこの旦那さん?」と聞く好奇の声に、妻の胸はつぶれそうになるのです。

(聡)

 

(読者の皆様へ)下のコメント欄へ、ご自作の「短歌」「俳句」をお寄せください。歌にまつわるお話も、ぜひお書き添えください。皆様とともに作り上げる、楽しいコーナーにしたいと願っております。なお、狂歌や川柳は、また別の機会とさせていただきます。お待ちしております!

関連記事
日本でも人気の中華料理・刀削面はもともと山西省の一般家庭の主食でした。太くもちもちの面にパンチの効いたつけ汁を絡めて食べるのも最高ですが、料理人の手慣れた包丁さばきを鑑賞することもこの料理ならではの醍醐味と言えるでしょう。実は刀削面の調理法は歴史と深い関わりがあり、知られざる誕生秘話がそこにはあります。
ほうれん草は栄養満点のスーパーフード。目の健康や心臓病予防、がん対策、さらにはダイエットや肌のアンチエイジングにも効果が期待できます!食卓に取り入れて、健康的な毎日を目指しませんか?
中国には、「一日の始まりに必要な7つのものがあり、それは、薪、米、油、塩、たれ、酢、お茶である」ということわざがあります。お茶は中国の文化の一部としてなくてはならないもので、客人にふるまったり、食後にたしなんだり、その長い歴史の中で育まれてきました。
世界中の美しいカフェ10選を巡る旅へ。歴史と芸術、文化が交錯する特別な空間で、至福の一杯を味わいませんか?
吉祥寺マルイにて、台湾が誇る漢方食材や東洋の叡智を感じられる商品を販売します。さらに、台湾ならではの味を楽しめ […]