大紀元エポックタイムズ・ジャパン

【歌の手帳】古井戸や

古井戸や蚊に飛ぶ魚(うを)の音くらし(与謝蕪村

歌意「夏のある日。古井戸のなかで、蚊を喰うため、飛び上がる魚の水音がした。井戸のなかは暗くて、目には見えないが」。

与謝蕪村(1716~1784)の句。蚊の幼虫であるボウフラを駆除するため、井戸に鮒や鯉を入れておくことは、よくあったようです。ただし、日本の鮒の場合、水から跳ね上がって空中の蚊をキャッチするのは、現実にはないでしょう。ここで蕪村は、魚の水音だけを聞いたのです。

手元の解説書には出ていませんでしたが、明和9年(1772)のこの句が、貞享3年(1686)松尾芭蕉の「古池や蛙飛びこむ水の音」を本歌取(ほんかどり)していることは明らかです。蕪村は「蕉風回帰」の提言者だったのですから。

(聡)

 

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