2020年10月20日、日米豪3カ国の海軍は南シナ海で合同演習を実施した(米海軍より)

台湾有事、日本の参戦は中国軍への抑止力を増大=米誌

米国のフォーブス誌電子版は2日の記事で、台湾に対する中国当局の武力侵攻の可能性が高まる中、米軍と共に台湾を守るという日本政府の意思は、中国当局への抑止力の増強につながるとの見方を示した。

英紙フィナンシャル・タイムズ1日付によると、日本政府は米国側に対して、台湾有事の際の作戦計画を共有するよう求めたことがある。しかし、米国防総省は同意しなかった。同省は、「段階的に日本との連携を強化すると考えているためだ」という。「米政府の元当局者」は、最終的には日米両軍が台湾有事のために単一の統合計画を作成することを目指していると話した。

フォーブス誌はこの報道について、「西太平洋地域の地理的条件は、同盟国が台湾を防衛する際、日本が果たすべき役割を基本的に決定している」「日本の指導者たちは、中国当局が台湾を侵攻した場合、その戦いに参加することを覚悟しているということだ」と分析した。

同誌は、米国が中国の台湾侵攻を阻止するために、日本の支援が必要であることが明らかだとした。西太平洋地域における米軍の大半は、沖縄県の嘉手納米基地、青森県の三沢基地、横須賀基地、佐世保基地などに駐屯している。

中山泰秀防衛副大臣は6月28日、米シンクタンク、ハドソン研究所が開催したオンライン討論会で、「台湾は兄弟であり、家族だ」と述べた。また、台湾が侵攻されれば、「沖縄県に直接な影響を与える」と話し、日本と米国が協力して中国側に「抑止力を見せなければならない」とした。

フォーブス誌によれば、米太平洋艦隊は約200隻の軍艦を有する。この規模は、最前線で動く中国の軍艦360隻より小さい。しかし、米艦隊に日本の艦隊を加えれば、両陣営の軍艦数がほぼ同じになる。

「日本の軍艦は重武装をしていることを忘れてはいけない。日本は、36隻の近代的な駆逐艦とフリゲート艦を運用しており、その多くはイージスシステムを搭載している。また、日本は世界最大級のディーゼル電気攻撃型潜水艦を22隻保有している」と同記事は日本側の強い海上戦力を指摘した。

いっぽう、中国の海、空軍は、日米両軍による強固な海上防御を迂回するよう、台湾への間接的なアプローチを模索しているという。そのため、中国当局が大規模な軍用機を台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入させ、さらに台湾東部のフィリピン海まで送り込んだのは「理由がある」。また、台湾東部海域での軍艦に空中からの援護をするために、「中国当局は3隻目の空母の建造を急いている」。

中国軍がフィリピン海に出るには2つのルートがある。1つは、台湾東南部のバシー海峡を通って台湾南部を飛行、または航行すること。2つは、台湾東北部にある宮古海峡を通過すること。今年4月、中国軍空母「遼寧」はこのルートを通り、フィリピン海と南シナ海へ展開した。

日本政府が台湾有事に参戦するという明確な姿勢を示すことによって、「中国の計画が複雑になり、おそらく、台湾侵攻のリスクが容認できないほど高まるだろう」との見方を示した。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。
2月23日午後、上川陽子外務大臣はパナマ運河視察を行った。日本が主要利用国であるパナマ運河の安全かつ安定的な利用環境確保に向けた連携を維持すると表明