【歌の手帳】生まれる前に来ていた
木陰にてバスを待ちおり洛陽は生まれる前に一度来ていた(サラダ記念日)
俵万智さんの第一歌集『サラダ記念日』が出たのが昭和62年(1987)。その瑞々しい感性あふれる短歌の世界は、社会現象にもなり、個人の歌集としては280万部という異例のベストセラーになりました。
拙稿の筆者も、同世代である俵万智さんの短歌を素直に喜んだ一人です。久しぶりに書架から取り出してみると、懐かしい青春のアルバムを開くようで、訳もなく恥ずかしくもあり、昔ほのかに好きだったクラスの女の子に同窓会で会ったような、爽やかな柑橘類の香りを感じます。
目に留まったのは表題の一首。当時20代半ばで、高校の国語教師をしていた俵万智さんが、中国旅行で古都・洛陽を訪れたときの歌です。
(聡)
(読者の皆様へ)下のコメント欄へ、ご自作の「短歌」「俳句」をお寄せください。歌にまつわるお話も、ぜひお書き添えください。皆様とともに作り上げる、楽しいコーナーにしたいと願っております。なお、狂歌や川柳は、また別の機会とさせていただきます。お待ちしております!
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