中国重慶市の山中にある「816地下核プロジェクト」の施設を訪れた観光客。この施設は、冷戦時代に核兵器のプルトニウムを製造する中国の極秘核施設だった。2017年2月21日に撮影 (Photo credit should read WANG ZHAO/AFP via Getty Images)

中国、福建省で原子炉2基を新たに建設 米科学者らが懸念「プルトニウム量産で軍民両用か」 

中国は福建省で原子炉2基の建設を進めている。電力燃料のためのプルトニウムを生産できるが、これで大量の核兵器を作り出すこともできる。中国共産党は、民間技術を積極的に軍事転用する党策「軍民融合」を掲げる。この国営企業により作られたプルトニウムの用途は明白にされていないため、科学者らは軍事利用の可能性は否定できないと懸念している。

歴史ある米大衆科学誌「ポピュラー・メカニクス」によると、国営企業の中国核工業集団は、台湾新北市から130キロほど北西に位置する福建省の長表島で、ナトリウム冷却プール型高速炉原型炉「CFR-600」2基を建設している。高速炉は、核反応によりプルトニウムを量産する「増殖炉」だ。

同誌によれば、世界各国のほとんどの原子炉は、プルトニウムの発生をできるだけ抑え、高価なウラン燃料を少なく使う軽水炉を採用している。使用済み燃料の再処理に経済的負担が増えるため、どの国も高速炉の建設は避けている。こうした状況にもかかわらず、費用対効果の低い中国がプルトニウムの「増殖炉」を建設することには、疑問符がつけられる。

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